2017年の民放ドラマは25日の「民衆の敵」(フジテレビ系)で幕を閉じた。在京4局がプライムタイム(19~23時)に放送した連続ドラマは50本以上あったが、全話平均視聴率のベスト5は以下の通りだった。(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
【1位】米倉涼子主演「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)=全話平均視聴率20.7%、【2位】役所広司主演「陸王」(TBS系)=同16.0%、【3位】水谷豊主演「相棒シーズン15、シーズン16」(テレ朝系)=同15.2%、14.7%、【4位】山下智久主演「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」(フジテレビ系)=同14.6%、【5位】木村拓哉主演「A LIFE~愛しき人~」(TBS系)=同14.5%。
本年度、上位ドラマの特徴は「陸王」を除いては、原作のないオリジナル作品であること。また、「ドクターX」「相棒」「コード・ブルー」の3作品は、大ヒット作のシリーズものだった。
さらに特徴的だったのは、テレビ離れ、録画頼りと言われるこの時代に、15%超えの高視聴率を3作品がマーク。逆に、低視聴率のものは、最も数字の稼げるプライムタイムでありながら、5%にも届かなかった作品が散見された。このことから、視聴者から支持されているドラマは、オンタイムで観ており、視聴率の正確さを裏付けたともいえるだろう。
「近年の人気ドラマの傾向としては、連続ドラマならではのストーリー性を保ちつつ、1話完結スタイルが支持されているようです。この上位作品以外でも『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)のように勧善懲悪でスカッと爽快にさせるものなどです。また、プライムタイムではありませんが、テレビ朝日がシニア世代に向けて制作した『やすらぎの郷』は、新たなドラマの可能性を打ち出したと言えます。この成功が、今後のドラマ作りに少なからず影響を及ぼすのではないでしょうか」(テレビ誌ライター)
このところ、医療モノや刑事モノが高視聴率をマークしているが、そろそろ昔のフジテレビ“月9”のような胸キュンドラマのビッグヒットを期待したい。