事務所を無視した「ジャニーズキャンペーン」などを発端に、転売業者との癒着が明るみに出て昨年末に開店休業状態に追い込まれた国内最大手のチケット転売仲介サイト「チケットキャンプ」。昨年12月26日には、同サイトを運営する「フンザ」の親会社であるミクシィが、今年5月末でチケキャンのサービスを完全停止すると発表していた。
そんな矢先の1月11日、京都府警は前記のフンザの元社長と、転売業者グループの男3人を書類送検。その容疑は、安室奈美恵のライブチケットを高額転売するために不正入手した、というものだった。
「安室のライブチケットということで派手に報じられましたが、昨年末からの一連の捜査による摘発だと思われます。フンザは転売業者をVIPと呼んで特別扱い、一般からは徴収する手数料を最終的には無料にしていたとか。それが年末の業務停止の要因となったわけですが、今回の容疑は昨年4月に他人名義で電子チケットを購入し、その購入額の倍近い金額で売ったというわけですから完全に法律違反のダフ行為。もうズブズブです。親会社のミクシィも何らかの責任を問われるかもしれません」(週刊誌記者)
今回のチケキャン摘発には、世間からも拍手が送られている。さらにその余波は、これまで出品された商品が何度かやり玉に挙がったフリマアプリ「メルカリ」にも及んでいるという。
「最近では『はれのひ』の騒動後、大量の振り袖がメルカリに出品されたことから関連を疑う声もあがりました。振り袖はともかく、かねてから素性がわからない商品が出回ることに対して何とかしてほしいという声は非常に多い。チケキャンにメスが入ったのは、2020年の東京五輪があるからとも言われています。人気競技のチケットが悪徳業者や個人からいくらで転売されるかわかったものじゃない。もはや行政レベルで潰したといっていいでしょう。ところが、メルカリはフリマアプリですから取り締まる理由がない。メルカリサイドも、チケットの高額転売目的や不正出品などの監視態勢を強化しているようです」(前出・週刊誌記者)
ネット空間を利用すると、スレスレの商売でも“やったもん勝ち”になりがち。今回の事件が“悪知恵の手本”にならないことを祈るばかりだ。
(山田ここ)