16日に放送されたバラエティ番組「この差って何ですか?」(TBS系)で、お祝いのお返しに関するマナーについて取り上げ、その内容が物議を醸している。
番組では、外国人が戸惑う日本の贈り物文化の一つとして、「お祝いのお返しに贈ってはいけない物」についての2択クイズを出題。選択肢は「緑茶」or「紅茶」だったが、番組では「緑茶」がNGと紹介。専門家であるマナー講師が、緑茶は葬式の時に手土産として使われることが多いため、葬式を連想してしまうことから縁起があまりよくないと説明した。
しかしこの内容に三重県四日市の老舗茶屋「お茶の川村園」がツイッターで、「お祝いに、お祝いのお返しにも、緑茶が使われてきた理由もご理解いただければ幸いです」と反論。「昔からお茶は、いいことのしるしとしてお祝い事に贈られてきました」と、縁起物として扱われていることを訴えた。
また、老舗百貨店・三越伊勢丹の運営サイトでも、お祝い返しにお茶を送ってもいいのか?という質問に対して「祝いごとや結婚祝いのお返しにお茶を贈っても失礼にはなりません」と回答している。
こうした企業のリアクションを受け、ネット上では「これがマナーとして定着したらお茶屋としてはいい迷惑だな」「TBSも結構やらかしているな」と批判の声が上がっている。
「こういったマナーは地域や個人の価値観により左右されるところが大きい。実際、三越伊勢丹では緑茶はお返しに問題なしとしているが、例えば高島屋のオンラインストアではお茶は香典返しによく使われることから還暦お祝いでは好まれないと紹介しています。そのため、番組側が完全に間違えているとは言い切れませんが、緑茶がお祝いのお返しとして完全にNGと全国放送で決めつけるのは少々乱暴。何らかの補足説明が必要だったのではないでしょうか」(エンタメ誌ライター)
問題の意外性を重視しすぎるがあまりに、それほどマナー違反として定着していない内容にもかかわらず、説明を怠ってしまったのは反省すべきだろう。
(権田力也)