広瀬すず主演ドラマ「anone」(日本テレビ系)の第7話が2月28日放送され、平均視聴率は4.9%。同作は、初回の9.2%から回を重ねるごとに下降し、前話の5.5%からとうとう4%台にまで落ち込んでしまった。
ドラマのコンセプトとしては「生きることの意味とは? 人が生きる上でほんとうに大切なものはなにか? を人々に問いかけ、真実の人間愛を見つけていく物語」なのだが、視聴者の中には「人間愛を描きたいはずなのに、偽札作りにもフォーカスしていて、だんだん何を伝えたいのかわからなくなった」という理由から、離れてしまった人も多いようだ。
テレビ誌ライターは「主演の広瀬をはじめ、小林聡美、阿部サダヲ、瑛太、田中裕子と演技達者ばかりの贅沢なキャスティング。脚本は同局の『Mother』や『Woman』、TBS系の『カルテット』などで知られるヒットメーカーで、“心に響く言葉を紡ぎ出す”ことでも評価の高い坂元裕二氏です。それなのにこの痛い数字は、ストーリーに問題があると言わざるを得ない。視聴者からも“いい役者の無駄遣い”と残念がられています」。
それでも、起死回生の望みはあるという。
「坂元作品は人間の深層心理を描くことから、ドラマ中盤に難解になることがあります。それでも視聴者は、少しづつ紐解かれていく過程にワクワク感やドキドキ感を覚えていた。ところが『anone』は、終盤に差し掛かったのに前が見えてこない。逆に言えば、第8話でクライマックスへのヒントが見えてくれば、ラストスパートが期待できるということ」
坂元ファンの中には、結末を知った後に第1話から全編を見直す人も少なくない。「anone」もその類の作品の1つなのかもしれない。