「なんとなく美肌効果がありそう」と、日々実践している美肌ケアが、実は全く意味のないものだったら……。多くの人が美容常識と思っているものの中には、医学的根拠がないものがあるといいます。
美容外科『東京イセアクリニック』が全国の20～40代の日本人男女330名を対象に行ったインターネットアンケート調査「『美容・美肌』にまつわる12の都市伝説／噂はどこまで信じられているか？」の結果と、同院総院長の吉種克之さんの解説をみてみましょう。
■ヒアルロン酸やコラーゲン入りの化粧水は“肌に浸透しない”
「肌に浸透させるために、ヒアルロン酸やコラーゲン入りの化粧水をたっぷり使った方がいいと思う」と回答した人の割合は58.2％。一方で、吉種さんいわく、医学的観点からも「化粧水が肌に浸透する」ことは絶対にないそうです。水分摂取を欠かさないようにして、内側から潤いを与えるのが美肌のコツなのだそうです。
■「ビタミンC」や「コラーゲン」の食事・サプリメントに“美肌効果はない”
アンケート結果では、70.0％の人が「美肌効果があると思う」と回答。しかし、ビタミンCやコラーゲンを経口摂取しても、それが直接的に肌に届いて美肌効果を高める訳ではないそうです。摂り入れた栄養素が、必ずしも美肌づくりに活用されるとは限らないのですね。
■「温泉」・「半身浴での長風呂」は“美肌効果なし”
アンケートでは、温泉や半身浴での美肌効果を信じている人が64.2％いると判明。一方で、「温泉で肌がすべすべになる」のは、古い角質をはがし取る天然の「ピーリング効果」があるためだそう。「半身浴」にも、長時間入浴＆発汗作用からの、医学的なダイエット効果や美容（美肌・保湿）効果はないそうです。
■「ほうれい線」は“シワではない”
60.3％の人が「シワだと思う」と回答したほうれい線。その正体は「頬のたるみ」なのだそうです。
■骨格（ホネ）を矯正するマッサージを受けても“小顔になれない”
53.9％の人が「骨格矯正による小顔効果がある」と回答。しかし、医学的観点で考えると、骨を動かして小顔になるということはないそうです。
■顔のリンパマッサージでフェイスラインは“スッキリしない”
73.3％の人が「マッサージで老廃物が流れ、フェイスラインがスッキリする」と思うと回答。これも実は医学的根拠がなく、医学的には顔の老廃物は存在しないのだそうです。美肌を保つためには、直接の肌への刺激はご法度だとか…。
■顔の筋力アップは“シワやたるみの改善にならない”
79.4％の人が「顔の筋肉を鍛えることでシワやたるみの改善ができる」と回答。シワやたるみは筋肉上にできるものではないため顔の筋肉とは関係なく、逆に、無理に引き上げることで摩擦が生じ、シワやたるみができやすくなってしまうので注意が必要だそうです。
■蒸気やスチームに“美肌効果はない”
「そう思う」人が58.8％にのぼった蒸気やスチームの美肌効果。実は保湿効果がないばかりか、医学的観点でいうと逆効果なのだそう。表面の水分だけでなく、肌の潤いを保つのに大事な角質層の水分も蒸発させてしまい、乾燥しやすくなったり、雑菌によりニキビなどの肌荒れを引き起こす原因にもなったりするので要注意なのだとか。
普段、美肌のために食べているものや行っているケアには、実は医学的な根拠がないものも多いと判明。外側からのケアだけでなんとかしようとするのではなく、バランスのよい栄養摂取や、適度な運動での代謝アップ、疲労を回復する睡眠の質を整えることで、美肌を実現・維持したいですね。
（美容・健康ライター Nao Kiyota）
