フィギュアスケートはオフシーズン。ファンはアイスショーなど、シーズン中とは違う楽しみを満喫しているところだが、スケート業界関係者にとってもまさに今、シーズン中とは違った意味でホットな季節を迎えている。
「フィギュアスケートはいつも五輪後にルール改正が行われ、平昌五輪後の今、次のシーズンに変更となるルールが6月のISU(国際スケート連盟)の会議で決まるのです。今回は大きな変更があり、技術と表現力のバランスを取って採点する方式に変わるようです。平昌五輪でのアリーナ・ザギトワ選手の金メダルで話題になったように、技術だけで得点を稼ぐ方式は、新しい採点基準では通用しなくなると言われています。また、オランダの連盟からは、シニアの出場年齢の引き上げが議題に出されており、現行の15歳から17歳に引き上げる案も出ているようです」(スポーツライター)
年齢の引き上げについては、平昌五輪でザギトワ選手がジャンプの高得点を中心に金メダルを獲得しただけでなく、ロシアのジュニア選手で4回転を跳ぶ女子選手たちが複数出てきていることが背景にある。まだ体ができていない選手が体重の少なさ、体の小ささが有利に働くジャンプで高得点を稼ぐのでは、スケートの技術や表現力の高さで勝負する、年齢の高い選手が不利になってしまうのだ。また、若い選手が早い段階で高難度のジャンプに挑むことで体を壊し、引退を早めることも懸念材料だ。
「6月からエフゲニア・メドベージェワ選手の指導をすることになったブライアン・オーサーコーチも、メドベージェワ選手の元コーチであるエテリ・トゥトベリーゼコーチが育てている4回転ジャンパーのジュニア選手について、『年齢を経ると(4回転が)跳べなくなるだろう』とコメント。トゥトベリーゼコーチを激怒させました。秘蔵っ子のメドベージェワ選手をオーサーコーチに取られたという思いがあるだけに、なおさら腹にすえかねたのかもしれません」(前出・スポーツライター)
果たして、4回転ジュニア女子が今後どう成長していくのか、注目したい。
(芝公子)