1955年7月1日は、お笑い界の歴史を変えた1人の“怪物”が誕生した日だ。
お笑い芸人の明石家さんまが2018年7月1日、63回目となる誕生日を迎え、相変わらずの存在感を放ち続けている。
同期の島田紳助やオール阪神・巨人らと共に1974年にデビューして以降、ドラマに舞台、映画、そして主戦場であるバラエティ番組を中心に快進撃を続け、芸能界における「ビッグスリー」の1人とも謳われるさんまだが、かねてより「60歳で芸能界を引退する」との願望を口にし、周囲をザワつかせていたのは周知の通り。
しかし、今もなおテレビをつければさんまによる破竹の饒舌トークが展開され、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)や「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)など、各テレビ局のシンボルともいうべきゴールデンタイムを独占する大きな番組を抱えている。
なぜ、当初予告していた還暦を過ぎてもなお、さんまは引退せずに戦い続けるのか。
「結果的に引退宣言の不実行という格好となっていますが、その背景には吉本興業の経営や若手の台頭の遅さといった要素があるでしょう。売り上げの多くを占めているさんまが引退してしまえば、会社にとって大きな収入減となってしまいます。以前はさんまと紳助の2枚看板に加え、ダウンタウンがそれに続いていましたが、戦友の紳助は2011年に引退し、ダウンタウンに続くようなホームランバッターが台頭していない。そうした状況もあってか、さんまは積極的に自らのレギュラー番組に吉本の若手を呼び寄せ、修行の場を提供し続けていますが、現時点で奏功しているかは未知数。この流れでは、さんまも引退を躊躇してしまうのも無理はないかもしれません」(テレビ誌ライター)
さんまやダウンタウン世代が別格すぎるのか、それとも中堅の台頭がユルすぎるのか。次代を導くべき雨上がり決死隊・宮迫博之の、不貞騒動による大幅イメージダウンも大きな足かせになっているのだろう。
長年にわたり全力疾走で駆け抜けてきた生まれながらの“お笑い怪獣”。毎年7月1日を迎えるたびに、さんまの引退構想は先送りにされ続けてしまっているようだ。
(木村慎吾)