最近よく耳にするようになった「DINKS」という言葉。ダブル・インカム・ノー・キッズの頭文字をとったもので、子どものいない共働き夫婦のことを示します。
実際、30代夫婦たちを見渡すとこのケースが実に多い。そして、彼ら彼女らは子どもができないわけではなく、「自らその形を選んでいる」ことが多いのだ。そして、夫も妻もそれぞれが「独立した生活」を送っているイメージが強い。
婚活サポートコンソーシアムが9月に調査した「結婚後の女性の働き方に関する共同意識調査」でも、結婚後の女性の働き方として、「結婚後、妊娠するまで」正社員で働いてほしい・働きたいという人が男女ともに6割以上、「妊娠出産後」でも働くことを選択した人が男女ともに8割以上にのぼっている。
専業主婦になってほしい・なりたいという人はもはやレアな存在になっているのだ。
「私は結婚しても、家庭内で自立していたい。夫も私もランニングが趣味で、ときどき一緒にマラソン大会に向けて走ったりすることはあるけれど、それ以外は割と生活は別々で、それぞれ暮らしている感じですよ」
と、話すのは35歳の会社員女性。夕食もお互いに残業などで時間が読めないため、基本的にはそれぞれ食べてくるか買ってくるかで、「一緒に食べるときは約束をする」のだという。
「朝出かけるまでの時間は、完全に相手は関係なしですね(笑)。お互いに余裕がないし、朝食をとりたかったら各自で済ませます」
休日にも、趣味のランニングをする以外は別々に行動することが多いという。
「私は友達と旅行に行くこともあるし、買い物はひとりで行きたいし。女友達とランチや飲み会もあるし。夫は家でゴロゴロしていることが多いみたいですけど」
また別のDINKS夫婦、31歳会社員男性はこんなふうに話す。
「うちは妻も働いているから家計は完全に半々。家賃も折半しています。周りの人からは『男気がない』と言われるからあまり言わないけれど‥‥。でも、お互いにこの先どうなっても、一人で生きていける力は身につけておくべきだと話し合って決めたことなので」
同い年の妻が仕事を辞める気がなく、今は子どもも作るつもりはないという。
「だっていま子どもができても、この先景気がどうなるかわからないし、自分たちの老後もわからないし、不安じゃないですか?」
ちょっと気になるのは、夫婦の夜の事情。結婚して2年目の29歳契約社員の女性はこう教えてくれた。
「私は家では何も考えず寛いでいたいから、あまりしたくないかな‥‥。するなら、ホテルに行くとか、家以外のムードが盛り上がる場所がいいです。でも結婚したらホテルには連れて行ってくれませんよね、男って」
というわけで、見事にスキンシップのない関係に突入。
前出の35歳会社員女性も、「夫とするより、男友達と飲みに行ったりして遊ぶほうが、ぶっちゃけ刺激的です(笑)」と話す。
DINKS夫婦の実態は、男女関係が希薄なただの「ルームメイト」といった様相になってきているようだ。
みなさんならこんな夫婦の形、どう思うだろうか?