7月28日放送の「悪魔が来りて笛を吹く」(NHK BSプレミアム)で横溝正史作品の中でもっとも有名な探偵・金田一耕助を演じた吉岡秀隆。放送前は「イメージに合わない」「地味すぎる」「吉岡といえばやっぱり『北の国から』の純くん」と期待の声は少なかったものの、放映されると評価は一変。「吉岡の金田一がもう一度見たい」「吉岡の金田一はハマリ役!」など称賛の声が続出。「再放送希望」「できればBSでなく地上波で」といった声も少なくないようだ。
「原作からかなりアレンジされたオリジナルストーリーで、それが顕著だったのが、吉岡演じる金田一の目の前で殺人事件が起きているのにそれを止められず、相棒とも呼べる池田成志演じる等々力警部に拳銃を使わせてしまうこと。これまで多くの俳優が金田一を演じ、殺人事件を未然に防げず、犯人が自死することは多々ありました。しかし、探偵としてここまで頼りない金田一を演じたのは吉岡が初めて。ところがそんな頼りなささえ、優しくて温かく人間味のある人物に見せてしまうところが吉岡版金田一の最大の魅力でしょう。また、妖艶でいかがわしくも魅力的な椿あき子(「あき」は火へんに禾)を筒井真理子が演じ、等々力警部と一瞬だけ視線が絡んだかに見えたシーンは、2人が1980年代に鴻上尚史率いる劇団・第三舞台で共演し、観客を熱狂させていた頃を思い出させてくれました」(テレビ誌ライター)
1977年10月公開の横溝正史原作「八つ墓村」で主人公を演じた萩原健一の幼少時代を演じたことが、初めての映画出演だった吉岡。吉岡版金田一耕助で「八つ墓村」を見ることができる日も近いかもしれない。