貴乃花親方の引退騒動のショックが冷めやらぬ10月4日、貴ノ岩が日馬富士を相手取って約2400万円の損害賠償を求めて提訴したことが大きな話題となった。
貴ノ岩の代理人弁護士らが記者会見を行い、当初、貴ノ岩側が3000万円と試算していた示談金が、日馬富士サイドでは30万円の提示しかなく、先月まで調停を行ったものの話し合いによる解決ができず、提訴に踏み切ったという。貴乃花親方の差し金ではないかといったニュアンスの報道もあるなか、その真相は?
「この提訴には貴ノ岩の思いが強く反映されているのではないかと思います。まず第一に、いくら親方でも本人の意思を無視して訴訟を起こすことはできません。もちろん代理人弁護士が勝手に暴走するなどということもあり得ません」(週刊誌記者)
報道によると、貴ノ岩側は入院治療費約436万円、給与の差額148万円、懸賞金の逸失額900万円、巡業手当の逸失38万円、退職時の幕内容量年金などの減額分172万円、弁護士費用219万円、慰謝料500万円という内訳の損害賠償金を請求しているというが、一般的に暴行傷害の慰謝料は、200万~300万円が相場。裁判をしても2000万円、3000万円といった額が認められることは難しいと思われる。
「金額の問題ではないんだと思います。貴ノ岩としては、お金が欲しいのではなく法廷の場で事実を明らかにしたい。また、上申書の内容が事実ということを証明することで、事実無根とさせられそうになった貴乃花親方の名誉を回復したいという思いもあるのではないでしょうか。特に今回の引退問題では、貴ノ岩が悪いわけではないのにこんなてん末になってしまって、なんとか自分たちの潔白を晴らしたいという思いがあるのではないでしょうか」(前出・週刊誌記者)
師匠の引退という、弟子としては衝撃的な展開を迎えてしまったこの一件。法廷では、どんな判決が出るのか。
(伊藤その子)