フィギュアスケートの羽生結弦選手がGPシリーズロシア大会のフリーの公式練習で負傷し、今後の出場が危ぶまれている。
2大会で優勝を果たし、すでにGPファイナルへの出場が決まっている羽生選手。ファイナル(12月6日~)に出られるように治療してゆくことを語っていたものの、実際に出場できるかどうかは未知数だ。大まかな診察では3週間の安静が必要とのことだが、羽生選手のケガは「前下脛腓靱帯損傷」「三角靱帯損傷」「腓骨筋けん損傷疑い」と発表されており、精密検査の結果によっては長期間の治療が必要となるかもしれないのだ。
「ロシア大会ではフリーを欠場するという選択肢もあった中、GPファイナル、全日本など今後の試合に出られないケースを考慮して、これまでの練習の成果をなんとかフリーで披露したいという思いが強く、出場を選びました。今シーズンの羽生選手の演目はエフゲニー・プルシェンコへのオマージュ、すなわちロシアスケート界へのリスペクトを込めたものだけに、このロシア大会は特別な意味を持っていたのです」(スポーツライター)
羽生選手の雄姿を拝みたいというファンの間でも、さすがに無理はしてほしくないという声が多い。
「SPで世界歴代最高得点を出したのと同様に、FSでも最高得点を叩き出す完成版を見せてほしいと思うのがファン心理。それでも、4年に1度の五輪ならいざ知らず、GPファイナルも全日本も休んで、3月の世界選手権に照準を合わせてしっかりと治療に専念し、調整するのがベストだと思っている人が多いようです。そもそも平昌五輪のケガからの復帰が早すぎたくらいで、今シーズンはGPシリーズを休んで全日本と世界選手権だけでもよかったのではないかという声もあるほどです」(前出・スポーツライター)
ちゃんとした演技が見せられなくて申し訳なかったとファンに謝罪していた羽生選手だが、そもそも今季は「自分のために滑る」という思いを口にしていたはず。ぜひとも、自分で納得のいく滑りのために、治療に専念してほしい。羽生選手の納得のいく滑りこそ、ファンが見たい姿なのだ。
(芝公子)