ポスト浅田真央と騒がれ、お茶の間でもすっかり人気者となったフィギュアスケートの本田真凜選手。今季から、宮原知子選手や紀平梨花選手を指導する濱田美栄コーチのもとを離れ、練習拠点をアメリカに。心機一転、ネイサン・チェンらを受け持つラファエル・アルトゥニアンコーチの指導を受けている。
今季のGPシリーズアメリカ大会では足の捻挫もあり、成績は8位と振るわなかったが、これまでのスタイルを変え、新たなやり方でスケートを立て直すことは一朝一夕でできるものではない。あのエフゲニア・メドベージェワ選手でさえ、これまでのようなパーフェクトな演技を発揮することができずにいる。本田選手には来季以降、練習の成果が出ることに期待したいところだが、ここに来て新しいコーチからも厳しいコメントが噴出。スケートファンを驚かせている。
「アルトゥニアンコーチが、本田真凜は能力の30%の力しか出せていない、感性もセンスも持っている天才肌なのに結果が出せないのは、本田の練習に一貫性がなく、その自由奔放さにあると語ったのです。そして、毎日6~7時間取り組んでいる練習メニューには意図があり、きちんとこなすよう組み立てられていると話しても、新しいことを自分で考えてやろうとするのだとか。昨年、濱田コーチがメディアに対して苦言を呈した時にも、本田選手は練習時間こそ費やすものの、高橋大輔選手や浅田真央選手のジャンプや技を真似して見せて、それを繰り返すことに時間をかけるが、それは練習ではないと言っていました。まさにその言葉を彷彿とさせるコメントです」(スポーツライター)
濱田コーチに「私はそこらのおばちゃんではなく、先生なのでちゃんと言うことを聞いてほしい」とメディアに向けて言わせてしまったようなことが、新コーチのもとでも起こっているようだ。
「本田選手は天才肌で、子どもの頃からちょっと練習すればできるということに慣れてしまっているんでしょう。他の人は少しずつ練習を重ねて成果を得るという体験をしてきているのでしょうけれど、すぐにできてしまうので練習や基礎を積むということがわかっていないのだと思います。本田選手はオーサーコーチのところのような、ジャンプやスケーティング、基礎力など別々のコーチがカリキュラムを組んでくれるところのほうが向いているのかもしれません。アルトゥニアンコーチが言うように、才能のある選手なのですから、練習の意図を理解して積み重ねるようになれば、さらに力を上げると思います」(前出・スポーツライター)
せっかくの才能。開花させるために、まずはコーチの言うことを聞くという、実に基本的なことから始める必要がありそうだ。
(芝公子)