レギュラー番の終焉に続き、ファンクラブの解散、そして11月24日放送予定の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」(フジテレビ系)は揃い踏みとはならず、徐々に溝が広がっていくお笑いコンビ・とんねるずの関係性にはファンも不安な想いを募らせているようだ。
3月をもって放送にピリオドが打たれた「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)のスピンオフ番組として「細かすぎて~」の特番放送が発表されたが、出演者リストに木梨憲武の名前は無く、石橋貴明のみの出演であることが判明。
これについて11月20日発売の「女性自身」は、フジテレビからの特番企画のオファーを石橋が快諾した一方で、木梨は“なぜ終わったばかりの番組をすぐに復活させるの?”と出演を拒否したと報道。その後もフジ側は木梨の説得を続けるも、石橋は“もういいよ、放っておけ!”とサジを投げたとの顛末も紹介されている。
「たしかに3月に終了したばかりの番組ではありますが、“業界やファンが望むのであればやるべき”と考える石橋と、“じゃああの大掛かりな最終回は何だったのか”という時期尚早な復活に疑問を呈する木梨。コンビ結成からは40年近くにも及ぶ2人ですが、そもそも仕事におけるスタンスや考え方は面白いほどに対照的で、グループを統率することに長ける番長タイプの石橋は全体を俯瞰的に見ることができ、団体での行動を重視します。対する木梨は“右にならえ”という考え方を好まず、大多数の人間が想像もつかないような“ズレ”を生じさせることで笑いを作り上げてきました。お笑いコンビとしてはこの凸と凹の関係性で上手くバランスが取れますが、2人が代表を務めていた所属事務所の運営や仕事の方針などを決める際には衝突するのかもしれません。私生活ではさすがに相手にツッコミを入れる訳にはいきませんからね」(芸能記者)
思えば、2014年に放送された「笑っていいとも!」(フジテレビ系)の最終回グランドフィナーレでも、ダウンタウンや明石家さんまが立つステージへ乱入したとんねるずは、“番長”の石橋がタモリやさんまを退かしてでもセンターに陣取りながら存在感を示していたのに対し、木梨は観覧席に居たタレントのオスマン・サンコンや橋田壽賀子を壇上へ引き上げることで“ズレ”を演出。後に松本人志は「ああいうの(木梨の演出)は俺も助かった」と振り返り、スタジオの一辺倒な空気感にアクセントを加えた木梨の“独特なボケ”に感謝していた。
ステージ上では、その特異な世界観や他とは一線を画す感性が“笑い”に転化され、現在はそのような個性をアートの創作に生かそうという木梨だが、良くも悪くも、とんねるずのキャリアは最後まで“ズレ”と共に歩んで行かなければならないのかもしれない。
(木村慎吾)