子どもが5年生、「小学校生活も残りわずかだから思いっきり過ごして欲しい…」。そう思っていた矢先に、子どもから「受験したい!」という言葉が出てきたら、親としてあなたはどうしますか?
「もう5年生が終わるのよ。勉強できるのも1年くらいしかないし…、どうせ無理じゃない?」と返せたら楽かもしれません。でも、その気持ちが本物だった場合、「あのとき受験をさせてくれていたら…(いま、こんな人生じゃなかったはずなのに!)」と、後で恨みに変わる可能性も。親として応援してあげたいとは思うけれど、これからの学習はかなりハードになることは目に見えている。積極的に応援していいのか、残りの1年間は思いっきり遊び抜く経験を積ませた方がいいのか…。親の選択次第で、子どもの生活も人生も大きく変わってしまうとなると、慎重になってしまいますよね。
「5年生や6年生から勉強を始めるのでは遅いですか?」と問われると、もちろん一概に「大丈夫ですよ」とは言えません。ただ、学習塾で子どもたちをみていて感じるのは、「自学の覚悟と習慣があれば、可能性が広がる」ということです。
3~4年生の頃から塾でバリバリ受験対策をしてきた子と戦うことになりますから、模試などですぐに結果が出なくても諦めずにやり抜く精神力が必要です。そしてまずは、志望校のレベルによって勉強法も質も変わってきますから、今の実力とどのくらい差があるのかを調べるところから始めましょう。「この学校を目指すなら、これくらいの知識量と演習が必要で、そのためには……」と作戦を立て、それに向かって信じて進み続けてください。そういう力がなければ、短い時間で学力を上げて成功を手にすることは難しいです。
計画を立てて行動する力があるか、本気度がどれくらいあるか、家族全員で覚悟を決めてサポートができるか、総合的に判断する必要がありますが、まずは過去問や対策問題集を渡して、1週間ほど様子をみてみることをオススメします。「難しいから…」と投げ出して手をつけないのか、「分からないから教えて」と言ってきたり基礎問題で演習を積んだりするのか、それをみるだけでも今後の伸びしろがうかがえます。
こうしたことに「正解」はありませんから、親も子も悩みますよね。でも、どちらを選んでも「やって(やめて)よかった」と思えるよう、本人が納得して進んでいくことが大切です。なぜ受験したいのか、どのくらい努力ができるのか、その子の気持ちや資質の部分に着目すると、選択の判断材料をつかみやすいですよ。
(Nao Kiyota)