あいさつをするとき、「相手が心地よく受け取ることができるよう」意識できている子どもは、社会に出てから大きなアドバンテージを得ることになるでしょう。そのくらいあいさつは、初対面での印象や日々の信頼を大きく変化させる力を秘めているのです。
会社への出社時、会議を始める際、アポイントを取っていた人と会った際など、人と人とのコミュニケーションの第一歩はあいさつです。社会でのコミュニケーションは、あいさつで始まりあいさつで終わるといってもよいでしょう。お互いに、あいさつするときの声や顔からその日のコンディションや話しやすそうな人かどうかなどを判断することも。これは、その後のコミュニケーションに生かすこともできますよね。ではどうすれば、きちんとあいさつができる子どもを育てられるのでしょうか。
あいさつの基本は、「笑顔で、はっきりと、さわやかに」すること。でも、たったこれだけですが、毎日完璧にできる人はそうそういません。それだけに、いつも気持ちのよいあいさつをしている人は“力のある”人として、多くの社員の心に残っている(よく話題に出てくる)ことが多いです。逆に、冴えない表情で小さな声であいさつを続けていては、「あの人に責任のある仕事を任せても途中で逃げ出してしまうかもしれない」「体調が悪そうだし、やりきれないだろう」などの余計な心配をされてしまいます。
大人でもしっかりとしたあいさつができる人は少ないのですが、たとえ幼児や年配の方でも、今すぐ、よりよくすることができるのもあいさつです。特別な力は必要ありません。誰しもが、よりさわやかに心地よい発声と仕草を実践することができます。
そのために、まず変えるべきは見本である私たち大人です。子どもたちの生きる世界にいる大人たちが、全員で気持ちのよいあいさつをしていたら、同じようにやりたくなるのが子ども。大人ができないのでは、子どもに指摘することもできませんよね。
社会にいる我々大人がいつでも心地よく過ごしていれば、子どもによい影響を与えることができます。あいさつもその一つ。年末年始はじいじやばあば、親戚など、人が集まる機会が増えますから、まずは「うちのお母さんのように…」と子どもが思えるくらいの笑顔で、「こんにちは!」から始めましょう。そうすれば、素敵なあいさつの輪が広がっていくことでしょう。
(Nao Kiyota)