メルボルンで開催中の全豪オープンテニスにて1月23日、世界4位の大坂なおみがエリナ・スビトリナに圧巻のストレート勝ちを収め、日本勢として25年ぶりとなる快挙を達成したが、自身初のベスト8に駒を進めた21日。試合後に行われた記者会見における大坂の発言が、海外メディアを驚かせていたという。
昨年9月の全米オープンテニスでグランドスラム初優勝を果たし、テニス界のセレブとなった大坂だが、彼女自身は自分がまだ有名人ではないと認識しているようだ。記者から日本での様子を問われると、自分自身は少し目立つ存在ではあるものの、スポーツウェアを着たりラケットを持ち歩かない限り、街行く人々は自分のことをさほど気にしていないと説明していた。
「ここで大坂は、注目を浴びてしまう有名人は街歩きを楽しめないと指摘。その上で自分については『無名でラッキーだと思っている』(I feel kind of lucky that I’m unknown)と語ったのです。それに対して記者が『あなたが無名だとは思えない』と返したところ、大坂は『私は幽霊なの、だから見えないわ』(I’m a ghost. You don’t see me)と言って微笑んでいました」(スポーツライター)
このやり取りの前には、今回の全豪オープンでは至る所にテレビカメラがあるので落ち着かないのではとの質問もあった。そのためか一部の日本メディアでは大坂の発言を「幽霊だからカメラに映らない」と誤って伝えていたケースもあったようだ。
「ほかにも今回の記者会見では意外に思える発言もありました。大坂がよく口にする『成熟』(mature)という言葉の真意を問われると、『自分の思い通りにいかない状況を受け入れること』としたうえで、『それを上手くできないことが自分にとって最大の問題』と説明。『こまごまと不満を口にしがち』だと自己分析し、それを修正しているところだと明かしたのです。日本では21歳とは思えない大坂の落ち着きぶりを称賛する声が多いなか、彼女自身が自分のことを“文句言い”だと認識していることに、ほとんどの日本人ファンは驚いていたのではないでしょうか」(前出・スポーツライター)
日本で出歩くときには姉が買ってくれたカツラを着用しているとも語っていた大坂。そんな大坂からは今後も、いい意味で期待を裏切る発言を聞くことができそうだ。
(白根麻子)