子どもたちの教育現場に身を置いていると、子どもたちから「給食の時間が嫌い!」という声が。筆者が子どもの頃は毎日給食が楽しみだったのに、どうしたの?と思い、子どもたちに話を聞くと、こんなことがわかりました。
常にゆっくりペースのMちゃん。授業の準備や板書なども、ついて行くのがやっとです。そんなMちゃんの一番の難関が給食。準備に時間がかかると、それだけ食べる時間もなくなってしまいます。これはMちゃんだけではありません。1年生で勝手がわからないうちは時間がない中で食べることが多く、一皿のおかずを食べていたらごちそうさまの時間になってしまった!ということがちょくちょくあるそうです。
こうした状況の中、子どもたちにとって何が嫌かというと、「先生に怒られる」「給食の後の時間に1人で食べる」ことなんだそう。そうした子たちの多くは、「家庭ではゆっくりいつまででも食べさせてもらっていた」「TVを見ながら食べることが多い」「食べながら遊んでいても怒られない」ようで、「家とは違う……」と言う場合に、大きなストレスとなるようです。
そうならないためにも、今のうちから小学校生活を見据え、またマナーの面でも、「食事の際は食事に集中する」という家庭のルールを作ることが大切です。
また、葉野菜の蒸し物や焼き魚などを嫌がり、「うちではもっと美味しいものが食べられるのに!」というSくんのようなケース。揚げ物やイタリアンが大好きで、唐揚げやグラタン、スパゲッティーなど、“お子様ランチ系”のメニューを食べたい!とお怒りです。
給食には、栄養バランスを整えるだけでなく、伝統的な日本食を感じる“食育”の意図もあります。ですから、小学校での給食に慣れさせるためにも、日頃から家庭でも和食を楽しみ、また偏食させないことも必要といえるでしょう。
最後に紹介するのが、お箸の持ち方が苦手で「ちょっとずつしか食べられない!」というKちゃんのケース。鉛筆の持ち方もかなり特徴的です。「これくらい問題ないだろう」と持ち方を自由にさせていると、給食の場面で時間がかかるなどの状況になってしまうことも。ですから、他のケースと同様に、入学準備の一環として「わが子はスムーズに食事ができるか?」もみてあげるといいでしょう。
(Nao Kiyota)