お肌のために、夜は早めに就寝する──TVや雑誌の美容情報では、22~2時の「ゴールデンタイム」に睡眠をとることで、“肌のターンオーバーが促進されて美肌効果が期待できる”といわれることが多いですよね。でも、早めに就寝することで、本当に肌の状態はよくなるのでしょうか。
東京イセアクリニックが2018年に全国の20~40代の日本人男女330名を対象に行った、インターネット調査「『美容・美肌』にまつわる12の都市伝説/噂はどこまで信じられているか?」では、「PM10時~AM2時までのゴールデンタイムの睡眠は美肌によい」という都市伝説に、「そう思う」と回答したのは72.7%。7割以上の人が信じているという結果になりました。
一方で、東京イセアクリニックの吉種総院長によると、“ゴールデンタイム美肌”に医学的根拠はないのだとか。この時間帯に就寝すれば、必ずしも美肌効果が期待できるとは限らないそうです。
女性としては、ゴールデンタイム伝説が無意味なのは残念……ですね。でも、早く寝ることが美肌に全く繋がらないということではないようです。また、どうしてもゴールデンタイムに眠りにつくことができないからといって、美肌をあきらめる必要もないということでもあるようです。
看護師で日本コスメティック協会インストラクターの高樋沙苗さんによると、起きている間は血液の多くが脳に集まってしまうため、肌に充分な栄養が行き届くのは主に睡眠中であり、再生活動が活発になるのも就寝中なんだとか。そのため、睡眠時間や睡眠の質がともに低いと、毛穴やシワが目立つということも報告されているくらい、美肌と睡眠は切っても切り離せない関係なのだそうです。また、高樋さんは、時間帯にこだわるよりも睡眠の質を上げて肌を整える働きを活発にしてあげることが大切で、寝る前はスマホなどの電子機器から離れてリラックスすることで自律神経を整え、しっかり眠れるようにすることがポイントだと言います。
必ずしも時間帯にこだわる必要はないということは、仕事や家事に忙しい女性にとっては心強いですね。とはいえ、肌を若々しく保つためにも、忙しい日々の中、しっかり体を休めるということは徹底したいものです。
(美容・健康ライター Nao Kiyota)