何を言っても宿題をやらない息子が、自ら取り組むようになった理由

 教育現場で出会った3年生のYくん。お母さんから、「塾の勉強はしっかりやるのに、学校の宿題は全くやろうとしないんです」と相談をいただきました。聞くと、「面倒だから嫌だ」「時間がかかる」「もっと友だちと遊びたい」という理由だそう。Yくんにとっては、学校に宿題を提出することに大きな価値がなかったようです。

 どうすればやるべきことに向き合えるようになるか、まずはYくんと面談をして、これからどうするか話し合うことにしました。事前にお母さんから聞いた情報によると、せっかく宿題に取りかかっても、集中しないためになかなか進まず、時間がかかってしまうようでした。時間がかかればかかるほど嫌になってしまい、途中でお母さんからの「終わらせてしまいなさい」の声が届くと大爆発。大騒ぎしたり泣いたりしながら、なんとか宿題を“やらされる毎日”だったそうです。

「Yくん、宿題はやらなくていいと思う?」

「ううん。やらなきゃいけないことは分かってる。でもやってるのに言われたりして、ムカつくから……」

「どうしたらお母さんが安心して見守れるように、宿題ができるかな?」

「……」

 Yくんも、どうしたらいいかわからず悩んでいるようです。そこで、お母さんではなく、「先生から宿題をやれたか確認の電話をするから、それまでに終えられるように毎日頑張ってみない?」と提案。最初は半信半疑のYくんでしたが、コクリとうなずいて実践することなりました。

 学校から帰り、宿題を終えるタイミングを狙って、「今日の宿題はどう?」と電話を入れる日々が続きました。最初は「まだ終わっていない」ということが多く、「じゃぁ、先生も●時までにお仕事を一つ終わらせることができるよに頑張るよ。Yくんもそれまでに頑張って終えよう!」と、同じ方向を向いて応援しました。

 すると、いつしか電話の先で「遅いよ、もう終わっているよ」と声を弾ませるYくんが。そんなときはとびきりの笑顔になっているようで、「宿題を終えて出かけた」とご家族から聞く日も増えてきました。その後、Yくんは自ら宿題をやり終えてから遊ぶことができるようになったのです。

 Yくんにとって、宿題は友だちと遊べなくなってしまう“嫌なもの”でした。でも、サポートを受けて集中して取り組むようになった結果、「集中すればすぐに終えることができ、自分の自由な時間をつくることができる」ということを学んだようです。これらを体験し、自信がついたことで、自ら実践できるようになったのです。

 大切なのは、「できない!」「やりたくない!」と思っていることを、いつもと違う方法で(新鮮さも大切です)、「なぁんだ、こんなにできるんだ!」とクリアすること。「当たり前にできなきゃいけないのだから、とにかくやりなさい!」ではなく、「前向きに取り組める方法を探そう」とサポートすることが、Yくんを変えたのです。

 何年間も宿題のことでお母さんを悩ませてきたYくんが、数週間で激変した物語。人はいつでも、劇的に、変われるものなのです。

(Nao Kiyota)

Asa-Jo チョイス

  1. 206979

    【ニトリ】便利過ぎる!と評判のキッチングッズ3選

    便利なグッズがたくさん揃う「ニトリ」。中でも、キッチングッズは定評があるようです。人気のグッズを3つみていきましょう。■「片手で計量できるポット」料理の最中、計量しながら不便さを感じることがあると思います。でも“すり切り … 続きを読む 【ニトリ】便利過ぎる!と評判のキッチングッズ3選

  2. 206964

    みんなと仲良くするのは不可能!?知ると“人間関係が楽になる”心理学の法則とは?

    人間関係での悩みがあると、毎日が楽しく過ごせませんよね。とくに、「気が合わない人とも仲良くしなきゃ……」と思っている人は、悩みを抱えやすいです。そこで今回は、“人間関係が楽になる”心理学の法則を紹介していきましょう。■「 … 続きを読む みんなと仲良くするのは不可能!?知ると“人間関係が楽になる”心理学の法則とは?

  3. 207215

    これはダメ!小腹が空いたときのNGな食べ方

    小腹が空いたときって、どんなものを食べていますか? 人それぞれ定番のフードがあるでしょう。でも、チョイスしたものによっては、健康を損ねてしまったり太りやすくなったりすることも。そこで今回は“NGな小腹の満たし方”を紹介し … 続きを読む これはダメ!小腹が空いたときのNGな食べ方

注目キーワード

ランキング