今年、世界各国で映画化されて話題になったE.L.ジェイムズの小説「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」。女子大生と大富豪の恋を官能的に描いた小説だが、同作品の読者の多くが実は主婦なのだという。
その背景には、主婦たちの間で密かに蔓延している「官能小説ブーム」が影響しているようだ。
主婦たちはいま、どのような官能小説ライフを送っているのか。その実態を聞いてみた。
「私は『10分間の官能小説集』(講談社)というシリーズを買って、ブックカバーをかけて寝室に置いています。夫の帰りが遅いときにベッドの中で読み、ひとりでムラムラする感じを楽しんでいます」(33歳・主婦Tさん)
しかも、彼女はムラムラするだけでは済まず「そこから先は‥‥まぁ、一人で(笑)」と話す。
このシリーズはタイトルのごとく“10分で読める”短編官能小説が集められたもので、石田衣良、あさのあつこ、小手鞠るい、乾くるみといった、若い女性に人気の作家らが執筆。買うのにもそれほど抵抗がなく、手軽に読めるのが魅力だという。
また、最近では電子書籍の登場により、官能小説への敷居が低くなったと話すのは29歳の主婦Rさん。
「書店で買うのは恥ずかしいし、通販も夫にバレたら困る。電子書籍なら誰にも知られずコッソリ読めるのがいいんです。電車の中で読むのも興奮するんですよ。知らない人がたくさんいる空間で、密かにムラムラした気分になっている、そんな背徳感がたまりません」
2人とも官能小説を読んでいることは夫にもナイショだと話す。あくまでも一人で読むのがいいのだとか。主婦になるとドキドキするような恋愛も遠のいてしまう。その穴を埋めるためにも、官能小説はお手軽なツールなのかもしれない。