女優・杉咲花主演のドラマ「ハケン占い師アタル」(テレビ朝日系)。3月7日に放送された第8話での“あるシーン”がSNSで話題となりプチ炎上を起こしているという。
「このドラマは、派遣社員のアタル(杉咲)が、他人の悩みや原風景が見えてしまう特殊能力を使って、まわりの社員の悩みを解決していくお仕事コメディー。今回は、占い師である母・キズナ(若村麻由美)が、自分の元を逃げ出した娘・アタルの居場所を突き止め、連れ戻そうとする親子対決。占い師をやめてこの会社で働くことを母に宣言するアタルは、番組の最後にそれまで飼っていたカナリアを籠から出して外の世界に放つ場面が登場します。ところがこのシーンを観た視聴者から『飼育放棄やないかーい!』『えぇ!?鳥さん放しちゃうの!?速攻でカラスに襲われちゃうよ』『アタルちゃん好きだったんだけど許せない』といった怒りのコメントが寄せられました」(テレビ誌ライター)
しかし、あらかじめこのような声が上がることを予測していたのか、番組のエンディングで、「このドラマはフィクションです。飼育しているカナリアを放すことは、法律に抵触する可能性があります」とスーパーで表示。ところがこれに対しても「注意書きしなきゃいけないのなら、もっと違う例えが必要だったのでは?」と疑問を呈する声も上がった。
しかしこれに対して、“カナリアを放つ”シーンは、とても重要だと見る向きもある。
「親子対決の場面で『自由って結構辛いわよ』といっていた母(若村)の予言が当たり、番組のラストで自由になったアタルは倒れてしまいます。鳥を放つシーンは、そのことを暗示する大切なシーン。最終回には劇的な展開が用意されているのかもしれませんね」(制作会社ディレクター)
遊川和彦脚本のドラマへのクレームといえば、真っ先に思い出されるのが2005年に放送されたドラマ「女王の教室」(日本テレビ系)ではないだろうか。
「冷酷な鬼教師(天海祐希)が生徒をいたぶるシーンに教育関係者から抗議が相次ぎ、スポンサーが提供クレジットを自粛する事態にまで陥りました。しかし、その分“攻めたドラマ”として話題を呼び、最終回の視聴率がなんと、25.3%を記録。遊川作品は、クレームが殺到するくらい“攻めたドラマ”がヒットする。そういった意味では、今回の“カナリア事件”くらいでは、まだまだ弱いのかもしれませんが」(制作会社プロデューサー)
ドラマ史に数々の爪痕を残してきた遊川作品。最終回は、攻めに攻めて欲しいものだ。
(窪田史朗)