教育の現場でお母さんたちのお悩みや意見をうかがっていると、「かわい過ぎて、どうすればいいですか!?」というお言葉をいただくことがあります。我が子ですから、無性にかわいいと思ってしまうときは多々ありますよね。意外と深刻でないように思えるこの「かわい過ぎる」問題、実は子育てにおいては大きな悩みに発展することがあるようです。
「いけないことをしたときに、しっかり叱ろうと思うのですが、かわいい声で『ごめんなさい…』と言われてしまうと、あっけなく許したくなってしまいます」というお悩み相談をいただくこともしばしば。「叱っているうちに我が子が面白いことを言うものだからつい一緒に笑ってしまい、なあなあになってしまった」というケースもあるようです。
これらのような場合、その場で謝ることができたことは、しっかり認めてあげてよいと思います。こちらが叱っていたはずなのについ笑ってしまうほどのユーモアセンスを持っていることも、褒めるに足るその子の長所でしょう。「さすが、ママの子だわ!」と声をかけたうえで「じゃあ、これからは大切なルールの話をするね」と別途話をすれば、必ずしも「叱る」方法でなくても教育をすることができます。
真剣に話すだけでは受け取ってもらえない(軽く考えてしまう)場合は、威厳をもって向き合う必要もあるでしょう。ゴールは、子どもが真剣に受け取って次の行動に生かそうと思うかどうかです。子どもが本気で受け取れるのであれば、キツイ言い方でなくてもよいはずです。
叱っていいかわからない、どうしても威厳を感じさせることができない、そんな場合は、事前に「ルールを決めておく」ことをオススメします。“なぜか分からないけれど怒られた”よりも、“約束をしていたのにできなかったのだ”と気付ける方が、子どもが納得しやすくなります。お母さんにとっても、正しい道に導きやすくなりますね。
子どもを無条件に愛することができることを、気に病む必要はありません。大切だからこそ、幸せになって欲しいからこそ、大人として伝えるべきことは逃さないよう、工夫したいですね。
(Nao Kiyota)