公益財団法人1more Baby応援団が、既婚者2,961名に加えて、自身もしくは配偶者が不妊を検討、経験したことがある1,021名を対象に行った「夫婦の出産意識調査2019」の結果、「日本は子どもを産みやすい国に近づいていない」と回答した人が67.8%と半数を超えたそうです。また、「日本は子どもを育てやすい国に近づいていない」との回答は67.4%。半数以上の夫婦にとって、現在の日本の出産・育児環境は十分に満足できるものではないようです。
日本が子どもを産みやすい・育てやすい国に近づいていない理由としては、「社会制度が整っていない」(76.6%)、「保育・学校にかかるお金が高い」(68.8%)、「給与が上がる見込みがない」(65.8%)などが上位だったそうです。一方、「理想の子供の数は2人以上」と回答した人は71.4%にのぼり、2人以上の子どもを不安なく育てるには社会制度や経済状況が整っていないと感じている人がいる状況が判明しました。
「勤務する会社の働く環境は良い方向に向かっていない」と回答した人も、半数を超えた60.5%。産休や育休を取得するに当たり「上司の目が気になる」(40.1%)、「同僚の目が気になる」(33.4%)「時短勤務やテレワークといった多様な働き方を自由に選びたい」(80.2%)、「会社の制度、風土が整っていれば子連れ出勤をしたい」(48.7%)などの意見があがったようで、働き方の制限も子育てへの不安の一因となっているようです。
少子高齢化の壁を破って若者世代を増やすには、子育ての環境を整える必要がありそうです。核家族化が定着した現代、仕事の都合で子どもを少しの間預けたいと思うだけで出費が発生…。たとえ経済的に可能でも、園などの育児施設に預けられないことで路頭に迷うこともあります。子どもを取り巻く環境も、育てる側の大人を取り巻く環境も、変化が求められているようです。
(Nao Kiyota)