俳優のウィル・スミスが10月18日、東京・六本木で催された「YouTube Space Tokyo」に登場し、およそ40名のYouTuberとのトークイベントに参加している。
数々の大ヒット作に携わってきたスミスは、同イベントで表現者として重要な要素は何かと問われると、「自分が表現したいこと、伝えたいことを最優先に考えるべき」だとし、「人気を得ようとしたり、人々の好みに合わせようとするのは危険な誘惑だ。他人にどう受け止められるかは二の次であり、それこそがクリエイティブだと思う」とも主張。好感度や周囲からの反応を過剰に気にするのではなく、あくまで己の信念を突き通すことにクリエイターの醍醐味があると考えているようだ。
また、このスミスによる“熱弁”は彼のフィルモグラフィや哲学と一致しており、ハリウッドを長く生き抜いてきた実力者ならではの生き様でもあるという。
「ウィル・スミスといえば、地球外生命体との死闘を描いた『インデペンデンス・デイ』やSFコメディーの『メン・イン・ブラック』など多くの代表作があり、シリーズ化もされていますが、当初から彼はハリウッドにヒット作のシリーズ作品が量産されていることに嫌気が差しており、熱烈なファンの要望を知りながら、2013年頃より続編やシリーズ作品への関与を辞めています。有名なのは自身の出世作でもある『インデペンデンス・デイ』の続編への出演を頑なに拒否した事実であり、2016年に公開され話題を呼んだ『スーサイド・スクワッド』の続編にも参加せず、その間はNetflixのオリジナル作品で主演を張るなど、常に新しい挑戦を選んできました。2020年には久しぶりに出演した『バッドボーイズ』シリーズ最新作が公開されますが、スミスが続編に出演しただけでニュースになるぐらいでしたからね。これこそ、観客やファンが求めることではなく、自身の哲学を絶対に曲げずに突き進んできたスミスの生き様ということでしょうか」(テレビ誌ライター)
日本だけでなくアメリカにおいても、ユーチューバーによる再生数稼ぎの為の過剰な演出や悪ふざけが横行しており、社会問題となっている。
スミスの指摘する通り、まずは“クリエイター“としてあるべき姿をもう一度再考する必要があるのかもしれない。
(木村慎吾)