「NIKKEI STYLE」が11月5日配信の記事で“YouTubeの登録者数ランキング”(8月23日時点)を発表。はじめしゃちょーやHIKAKIN、フィッシャーズといったYouTube界を代表するクリエイターが名を連ねる中、異彩を放つ音楽系ユーチューバーもランクインした。
810万人ものチャンネル登録者数を誇る“イケメンユーチューバー”のはじめしゃちょーを始め、バラエティー番組で明石家さんまや志村けん、ダウンタウンといった大御所タレントとも共演経験があるヒカキン、さらには7人組という大所帯で若者の心を掴むフィッシャーズといった著名なユーチューバーが上位に並び、トップ5のクリエイターが全てユーチューバー専門プロダクション「UUUM」に在籍する顔触れとなったことは驚きだ。
しかし、中でも存在感を放ったのは7位にランクインした歌手で“ユーチューバー”の米津玄師である。統計時に416万人、最新のデータでは449万人(11月6日時点)ものチャンネル登録者を抱える米津は、言わずもがな2018年末に初めて紅白歌合戦に出演した人気急上昇中のシンガーソングライターであり、“ユーチューバー”と位置付けることが妥当かは分からないが、ドラマの主題歌としてリリースした「Lemon」のミュージック・ビデオは4億8000万回もの再生数を記録し、「アイネクライネ」も2億2000万回という驚異的な再生数となっている。
「米津玄師が辿るキャリアは今後のアーティストやシンガーソングライターにとっては最も参考にすべき道筋となっています。というのも、インターネットの普及や音源の“焼き増し”文化によって、一時期のミュージシャンは音楽で生計を立てることが困難になるほどの氷河期に遭遇しましたが、現在はMVをYouTubeの公式チャンネルからアップロードすることで広告収入を得られる時代となり、実際に米津はこの仕組みを利用して数億円ものレベルでYouTubeから収益を上げているとされています。もはやテレビの音楽番組で必死なプロモーション活動をする必要もなく、自らのチャンネルを開設するだけで事足りるわけです。そうした活動を昔から地道に行ってきた米津は今やYouTube登録者ランキングで7位に入り、YouTubeの活動を本業とする人間たちの中に混ざってランクインしています。しかし、米津がYouTubeで行なっていることと言えば、自身の楽曲のMVをアップロードしているのみで、YouTube動画の為に何か企画を立案している訳でもない。本業であるミュージシャンとしての作品をアーカイブのようにまとめているだけで数億円レベルの収益を上げられている現状は驚異的で、周囲も倣うべきモデルケースでしょうね」(テレビ誌ライター)
なお、トップユーチューバーとして知られるヒカキンが運営する「HikakinTV」内の歴代最高再生数を記録した動画はトップが9124万回、2位が2785万回、3位が2490万回と続くが、米津のチャンネルには1億回再生を超える動画が7本もあり、やはり音楽とYouTubeの親和性の高さが窺える。
シンガーソングライターを本業としながらヒット作を連発し、副業であるYouTubeからも莫大な広告収益を得られる米津の稼ぎっぷりは、今や天文学的な金額となっているにちがいない…。
(木村慎吾)