そして、初夏には芸能界に最も大きな打撃を与えたといっても過言ではない“大騒動”が勃発し、多方面に大きな影響をもたらした。
お笑いコンビ・雨上がり決死隊の宮迫博之を筆頭に、ロンドンブーツ1号2号の田村亮、カラテカの入江慎也ら吉本興業の芸人に加え、ワタナベエンターテインメントのザブングルが、反社会的勢力の宴にて闇営業に手を染め、金銭の授受も発覚。イベンターとしての役割を果たした入江が報道後すぐに吉本を解雇されると、時間をおいて宮迫や亮らにも謹慎処分が言い渡され、彼らが出演していた多くのレギュラー番組も撮り直しや再編集に追われることとなった。
「ネットでのコメントを見ていれば、やはりその多くが最も芸歴の長い宮迫への批判に集中しており、当初『金銭の受け取りはなかった』と嘘の声明を出していたことへのバッシングが鳴り止みませんでした。もしも、報道直後の時点で宮迫が正直にお金を受け取っていたことを告白していれば、どうなっていたかは誰にも分かりませんが、宮迫の場合は過去の不貞騒動の存在もあり、もはやお茶の間からの信頼は失墜している状態です。先輩の明石家さんまの援助もあり、最終的にはどこかの場で復帰を果たすのかもしれませんが、この逆境から笑いを生み出すには並大抵の覚悟がなければできません。また、騒動発覚時点から“真実を話すべきです”と進言していた亮に嘘を付くよう命じた立場であることから、『亮の復帰より先に宮迫が復帰するのは有り得ない』『巻き込んだ人間がなぜ先に復帰をアシストされるのか』との批判も多く出ています」(テレビ誌ライター)
もしも宮迫に後悔と反省の念があるならば、“我先に”ではなく、まずは巻き込んでしまった亮へのケアを優先してほしいところだが…。
その後は、そもそも吉本の若手芸人が闇営業に手を染めなければならないほどの薄給ぶりや杜撰な契約形態にもバッシングの矛先が向けられ、最終的に吉本興業はマネジメント契約とエージェント契約の導入を発表し、所属タレントと契約を締結しないという方針を廃止。同社にとって失うものも多かった闇営業騒動だが、今後の健全化に向けた第一歩を踏み出したというポジティブな副産物もあったというわけだ。
(木村慎吾)