俳優の小栗旬が、2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK)に主演、主人公の北条義時役を演じることが1月8日明らかになり、業界内に衝撃が走っている。
「NHK局内で行われた『2022年大河ドラマの制作・主演発表会見』の席に、脚本を手掛けるヒットメーカー三谷幸喜氏も登壇。“三谷脚本×小栗主演”が発表されるのと共に、不祥事を起こす大河出演者が相次ぐことにも触れ、三谷氏は『俺、ちょっとやばいかなと思う人は、出演オファーを断って欲しい』と懇願。会場が爆笑に包まれました。小栗が演じるのは、華やかな源平合戦、その後の鎌倉幕府誕生を背景に、源頼朝の薫陶を受け、武士の世の中を磐石なものとした二代執権・北条義時。これまで大河ドラマでは2009年『天地人』の石田三成、2018年『西郷どん』の坂本龍馬など様々な役を演じてきた小栗が、満を持して主役を演じることになりました」(テレビ誌記者)
一方、三谷氏が大河ドラマの脚本を手掛けるのは、香取慎吾主演の「新選組!」(2004年)、堺雅人主演の「真田丸」(2016年)に続いて3本目。いずれも意欲作でまずまずの視聴率を残している。小栗はこれまで、2010年ドラマ「わが家の歴史」(フジテレビ系)、映画「ギャラクシー街道」で三谷作品に出演。現在、米ロサンゼルスに滞在中の小栗と国際電話で話した三谷氏は「お互いに代表作にしよう」と熱く語り合ったと話している。
しかし、このところ不祥事に加え、低視聴率にあえぐ大河ドラマ。そんな中で早くも、“大河と中世は相性が良くない”と言った声も聞こえてくる。
「2012年に松山ケンイチ主演の『平清盛』は、平均視聴率12.0%と最低視聴率を更新。2001年に和泉元彌主演の『北条時宗』も、当時としては平均視聴率18.5%と今ひとつ。源平合戦をメインに源義経が華々しく活躍する作品以外は、この時代は馴染みもなくいずれも不調に終わっています」(スポーツ紙記者)
しかし、例外はあると話すのが長年、大河ドラマを観てきた夕刊紙デスクだ。
「その作品が、1979年に放送された永井路子原作の『草燃える』。このドラマは、鎌倉幕府樹立、そして東国武士団の興亡を描いた群像劇。この時、源頼朝は石坂浩二、妻の北条政子は岩下志麻、そして北条義時を当時若手俳優だった松平健が演じて、平均視聴率26.3%と高視聴率をマークしています。『新選組!』『真田丸』と群像劇を得意としてきた三谷脚本と本格的にハリウッド進出を狙う小栗のタッグなら、風穴をあける可能性は十分あります」
2022年には40歳を迎える小栗旬。ハリウッドで羽ばたくためにも、失敗は許されない。
(窪田史朗)