ミュージカル「ライオンキング」のテレビCMが、この緊急事態下でも前向きなメッセージを投げかけている。
新型コロナウイルスの影響で各種イベントは軒並み中止、テーマパークや映画館、劇場などは休業中。「5月6日まで」と当初設定された緊急事態宣言も、依然として感染者数が増加する中、延長もやむなしの様相だ。
そんな中、国民的ミュージカル「ライオンキング」のCMは、コロナ騒動前と変わらず、少なくともついこの間まで放送されていた。鍛え上げられた王の肉体、動物たちの美しいシルエットを前面に出したおなじみの内容だが、「いやいや、この危機的状況で三密の劇場に行くのはどうかと思うけど？」と首をかしげる人を尻目に、CMの最後にはこんなメッセージが表示されるのだ。
「そろそろ予約かな？」
何がそろそろ？ 何の予約？
劇団四季の公式HPを見てみると、トップに表示されるのは【全公演、中止期間延長／今後の再開見通しについて】のアナウンス。次に出てくる【各公演の再開見込み】によると、名古屋公演は5月19日から、東京公演は同21日から再開予定とあり、それぞれチケット購入も可能だ。
CMは4月11日から予約販売が始まった、2020年7月～2021年1月公演の告知のようだが、このままパンデミックが収束しなければ、5月の公演はおろか、7月の公演さえも開催は危うい。予約購入と払い戻しが繰り返されれば、かかる費用もかなりのものだろう。未知のウイルスの猛威の前では、日本最長連続上演記録を持つライオンキングもお手上げかもしれない。
劇団四季ファンが、腹の底から「心配ないさ～！」とチケットを買える日はいつになるのか。ちなみに、伊集院光らライオンキングを見た人によれば、「心配ないさ～！」は劇中1度しか叫ばれないらしい。
（田山洋一）
