7月29日放送「おはよう日本」(NHK)の「けさのクローズアップ」コーナーで特集された「どう考える? “予期せぬ妊娠”と緊急避妊薬」が波紋を広げている。
番組では、コロナ禍において予期せぬ妊娠に対する不安が若い世代に高まっているとして、誰もが安く、簡単に入手できることが望ましいものとしてWHO(世界保健機関)が必須医薬品に指定している「緊急避妊薬」の国内導入における課題を取り上げた。
その中で、日本産婦人科医会・前田津紀夫副会長が「日本では若い女性に対する性教育、避妊も含めてちゃんと教育してあげられる場があまりにも少ない」「“じゃあ次も使えばいいや”という安易な考えに流れてしまうことを心配している」などとコメント。アメリカやイギリスなどでは、ドラッグストアで販売されている緊急避妊薬を国内導入することに難色を示し、さらに“予期せぬ妊娠”が女性だけの問題かのように聞こえるコメントだったため、ネット上で大炎上したのだ。
「避妊の失敗や性暴力被害に遭った時など、性行為から72時間以内に服用すれば8割以上の確率で妊娠を回避することができると言われているのが緊急避妊薬です。前田副会長の懸念も理解できないこともありませんが、緊急避妊薬の存在すら教えてもらえないのが日本の性教育の現状です。コロナ禍で休校が続き、外出も自由にできない状況下であるがゆえに性行為の機会が増加しているだろう現実を、黙って見ているわけにはいかないでしょう」(女性誌記者)
同じ特集に出演した産婦人科医の遠見才希子氏は自身のツイッターで「たとえ性教育が充実しても避妊の失敗や性暴力被害は起こりえます。緊急避妊薬へのアクセスで人生が大きく変わることがあります。海外では健康を守る権利として薬局で安価に迅速に購入できます」「緊急避妊薬は安全性が高く約90カ国で薬局販売されています。日本はその選択肢がありません。必要とする全ての人が安心安全に入手できるよう、選択肢を増やすことを求めています」などと声をあげている。
できるだけ早く厚生労働省に真意が伝わればいいのだが。