ユーチューバーのHIKAKINが公開した害虫とのお別れ動画に対し、生態系が崩れてしまう可能性があるとの指摘が入ったようだ。
事の発端は、8月9日に「HikakinTV」にアップされた「さよなら、むしお」と題された動画で、HIKAKINが購入したピーマンの中に紛れていたという蛾の幼虫を草むらに放すシーンが収められている。
7月10日の動画の中でHIKAKINはこの幼虫を初めてファンに紹介しており、「タバコガ」という種類の害虫であることも認識。しかし、殺すことなく、“むしお”と名付けて家族の一員として育て上げると、9日の動画でむしおを自然の世界に解放した。
ピーマンに付着した害虫に餌を与えて飼育するという、HIKAKINの生き物に対する思いやりが伝わる動画ではあったが、この行動に対し、“昆虫採集の神様”からツッコミが入った。生物系YouTubeチャンネル「おーちゃんねる」を運営する昆虫オタクのおーちゃんは10日、「ヒカキンさん、むしおを逃しちゃダメだよ…」と題した動画を公開。その中で、HIKAKINがむしおを草むらに放したことにより、異なる起源の遺伝子が撹乱され、その地域が本来持たないはずの病原菌もバラまかれる可能性があると指摘したのだ。
もちろん、おーちゃん自身もたった1匹のタバコガの存在によって当該地域への「生態系の影響はないと思う」とコメント。しかし、HIKAKINが860万人もの登録者を誇ることから、「それを見た何百人、何千人、何万人もの皆さんが、何百匹、何千匹という生き物を放してしまうと、生態系がめちゃくちゃになってしまう可能性がありますので」「よその生き物を野外に放つのは良くないことだということを分かって欲しくて動画にしてるんです」などと警鐘を鳴らした。
また、そもそも害虫であるタバコガを野に放すこと自体が「マズい」とも語り、「生き物を飼うなら最後まで責任を取って看取ってください」と訴えかけている。
「ヒカキンといえば、過去に何度か高級タワーマンションの自宅にゴキブリが出現した際も、スプレーなどで殺すことはせず、わざわざ生きたままクリアファイルに乗せてタワマン外の草むらに逃がしていました。虫も殺せぬ聖人として話題を集め、“さすが優しすぎるヒカキンさん!”と評判に。今回もピーマンの中から現れた害虫を愛でて育てるという、まるで竹取物語のような展開となりましたが、おーちゃんからの指摘があったことで、動画コメント欄には『ここまで害虫を育てられるのも立派です。自分にとっても逃してはいけないことを知れたので良い機会でした』『ヒカキンさんの善意とおーちゃんの意見が凄く勉強になりました。蛾は幸せだったと思います』『色々言われてるけどシンプルに良い人すぎやろ 笑』との声が並びました。さすがに1匹の害虫を放しただけのヒカキンの行為が“生態系を破壊する”ものだというのはマニアックすぎるツッコミではあります。しかし、自然界にもたらす影響を分かりやすく説明したおーちゃんの専門的な見解は、視聴者にとって夏休みの良い学びのきっかけにもなったようですね」(エンタメ誌ライター)
心優しき主人から離れ、現在は草むらに居を移したむしお。豪勢なタワマン暮らしが忘れられず、再びピーマンに身を潜めることがなければいいが…。
(木村慎吾)