熊本の大地震では築古物件を中心に全壊・半壊が相次ぎ、多くの被害者が出てしまいました。地震が少ないと言われていた九州で起きた今回の地震。日本中、どこに住んでいてもリスクがあるということを、改めて感じた人も多いことでしょう。
いつ自分の身に降りかかるか知れない震災に備えて、今チェックしておきたいのは家の耐震性です。これから中古物件を購入予定、賃貸物件を探しているという人も、また実家の建物についても、ぜひ点検をしておいてほしいものです。
都内のある不動産業者によれば、手っ取り早く耐震性を確かめるためには、築年度がポイントになるそう。ただ「古いから危ない」というわけではなく、注目すべき年があるとのことです。
「まず木造戸建て物件の場合、2000年6月以降に建てられたものかどうかを見てください。というのも、このタイミングで建築基準法が改正されており、木造戸建てを建てる際には、地盤調査によって地耐力を調査したうえで、基礎の形状をそれに応じたものにしなければならない、ということになったからです。それ以前は、地盤調査は義務化されていなかったんですね」
これ以前の1981年の改正時にも、耐力壁の量や倍率などの基準が見直されて耐震性が向上したというが‥‥。
「その後2000年の改正ではそれに加えて耐久壁のバランスを計算することが求められるようになりました。したがってやはりこれから買う・借りるなら、2000年以降の建物をオススメします」(前出・不動産業者)
さらに、2005年に耐震強度構造計算書偽装事件が起きたことをキッカケに、2006年にはもう一歩ルールが厳格化されてもいるとのことです。
「4階建て以上の鉄骨造、高さ20mを越える鉄筋コンクリート造などは、構造計算書審査を受けなければいけないことになりましたから、これ以降の建物は安全性が高いと言えるでしょう」(前出・不動産業者)
つまり、目安になるのは1981年、2000年、2006年の建築基準法の改正より前か後かということ。これを基準に築年数を見て、心配があるようなら、補強工事や住み替えを考えたほうがよいかもしれませんね。