俳優の山崎育三郎が10月30日に放送されたNHK「あさイチ」に出演。生歌を披露して視聴者を魅了した。
山崎は「あさイチ」の直前に放送されたNHK連続テレビ小説「エール」の中で、「栄冠は君に輝く」をフルコーラスで歌うシーンがあり、そのままの流れで後番組に出演するという粋な計らいが視聴者の感動を増幅させたようだ。
「『エール』の物語の中、山崎さん演じる佐藤久志は日中・太平洋戦争で負った心の傷のため、歌を歌えなくなってしまいました。主人公・古山裕一(窪田正孝)は久志を何とか立ち直らせようと尽くし、夏の甲子園大会の大会歌である『栄冠は君に輝く』を歌うよう依頼しましたが、久志はなかなか心を開かない。そこで裕一は久志を甲子園球場に連れて行き、戦時歌謡を歌わせて傷つけてしまったと謝罪し、『栄冠~』の歌唱は久志でなければならないと、懇々と諭すのです。裕一の思いを受け取った久志はマウンドに立ち、アカペラでフルコーラスを熱唱。お茶の間を感動の渦に巻き込みました」(テレビ誌ライター)
ドラマのラストが山崎のアップで終わると、「あさイチ」でも山崎のアップで番組がスタートするという展開に、視聴者も唸らされたようだ。
「あさイチ」の冒頭では、MCの博多華丸が「めちゃくちゃ出た、セロトニン!」と口にすれば、博多大吉も「久志が戻ってきた、よかった!」と感動の面持ち。近江友里恵アナは「本番前にこれ(『エール』での歌唱)を見るのはツラい…涙が」と、目を潤ませた。
山崎はドラマのシーンの撮影が、ちょうど甲子園での全国大会の中止が決定した直後だったことを明かし、「僕としては役を超えた色んなものを感じるところがあって、甲子園球児たちの思いを感じながら、みんなにエールを届けたいという思いで歌った」と、当時を振り返った。
その後山崎はピアノ伴奏で生歌を披露。「エールメドレー」として「船頭可愛や」「長崎の鐘」「丘を越えて」というドラマでお馴染みの歌を歌い、視聴者と出演者を魅了。博多華丸・大吉のふたりも「紙テープ飛ばしたい!」「今日が大みそかでいい!」と、感激の様子。 その後、山崎はドラマと同じく「栄冠は君に輝く」をピアノ伴奏で歌い、スタジオは大拍手に包まれたのだった。
視聴者からは「朝から山崎さんの生歌なんてぜいたくすぎる!」「まるでディナーショーみたいな素敵な時間をありがとう」「私も山崎さんのボーカルレッスン受けてみたい!」「ドラマの歌も感動したけど、生歌も素晴らしかった」といった絶賛の声が上がっている。
「栄冠~」を歌い立ち直った山崎演じる久志が、戦後の歌謡界でどんな活躍を見せるのか。終盤に差し掛かる「エール」の今後の展開から目が離せない。
(石見剣)