3月29日からフィンランドのヘルシンキで開催される世界フィギュアスケート選手権。来年の平昌五輪の出場枠がかかる重要な大会で、特に日本女子はエースの宮原知子選手が欠場を発表。3枠獲得は三原舞依選手、樋口新葉選手、本郷理華選手の若手3選手に託されることとなった。
今回で107回目という歴足あるこの大会だが、過去には女性が男子シングルで表彰台に乗ったことがあるという。
「1902年のロンドン大会の時のことです。マッジ・サイアーズというイギリスの女子選手が2位に入ったのです。当時、女性の服装はシンプルにはなりつつあったもののロングドレスに装飾の多い帽子をかぶっていた時代です。女性がスポーツをすることははしたないと思われていました。入賞したマッジ・サイアーズはそんな時代にあって、スポーツが得意で乗馬、水泳、陸上もした女性でした。なんとかスポーツの大会に出て腕前を披露したいと思った彼女は、ありとあらゆる競技のルールブックを熟読し、フィギュアスケートにだけ、女子が出てはいけないという文言がないことを逆手に取って出場し、みごと2位に入ったのです。その後1906年から女子の世界大会も開催されるようになったのですが、男子の世界選手権に女性が出場したのは、後にも先にもことの時だけです。そもそも、世界選手権として男女一緒に開催されるようになったのも、1930年からなんですよ」(スポーツライター)
バレエなどの優雅な舞踊に通じるフィギュアスケートに女子の部がなかったとは、なんとも驚きだ。
(芝公子)