「私のBMIは標準だから、肥満とは縁がない」と思っている人は、意外と多いかもしれません。しかし、BMIが正常でも、内臓脂肪が多い場合は、「隠れ肥満」かもしれません。隠れ肥満とは、体重が少なくスマートなのに、体脂肪率が30%以上ある状態のこと。見た目がスマートなので、健康には支障はなさそうに思えます。しかし、問題は確かにあるようなんです。
日本のスポーツ科学者で中京大学教授、医学博士の湯浅景元さんの著書「意外と知らない体脂肪の真実」(廣済堂出版刊)によると、かくれ肥満は、皮下脂肪型の肥満よりも健康リスクが高いことがあるといいます。程度の差はあるものの、脂肪が皮下脂肪のうちは、まだ健全といえるそうです。しかし、皮下だけでは蓄積しきれず、ついに内臓の周りに脂肪がたまるようになると、危険域の入り口。さらに、心臓や肝臓に脂肪が付着するようになると、もはや黄信号なんだとか。
体重やBMIの値、見た目だけで判断すると、隠れ肥満を見逃してしまうこともあります。まずは、隠れ肥満の定義である、体脂肪率が30%を越えていないかチェックすることが先決といえそうです。