ジャニーズJr.から初の国立大学生が誕生した。“三味線王子”の異名で知られる村治将之助が東京藝術大学の音楽学部邦楽科に合格。父親で長唄唄方の六代目杵屋勝四郎も同学科の出身なので、父子で先輩後輩の関係になったわけである。その父親について音楽ライターがこんなエピソードを教えてくれた。
「杵屋は、本名をもじった“将軍崇光”という芸名で、三味線ファンクバンド『THE家元』のボーカルを担当していました。そのTHE家元は“イカ天”こと『三宅裕司のいかすバンド天国』(TBS系)への出演をきっかけに、1990年にメジャーデビュー。NHKにも出演したり、自動車メーカーの海外向けCMに曲が使われたりと、和風ロックの先駆けとなったバンドです」
アマチュアバンドの勝ち抜きオーディション番組だった「イカ天」からは、BEGINなど現在も活躍するバンドが巣立っている。THE家元はメンバーが藝大出身の邦楽奏者で、演奏家としての実力は折り紙付き。当時はアルバムをロサンゼルスで録音し、現地のイベントでも演奏するなど、国境を越えての活躍も見せていたのである。そんなTHE家元について音楽ライターが続ける。
「ツインボーカルが特徴で、見た目は米米CLUBに似ていましたね。当時の将軍崇光は忍者をイメージしたような衣装を着ており、京本政樹や石井竜也を思わせるシュッとした感じで人気でした。息子の村治は父親の若いころに比べると少しナヨッとした感じですが、これから藝大で厳しく揉まれれば、THE家元時代の父親に似てくるかもしれません」
いまや父親がやっていたバンドの後輩にもなった村治。こうなったら藝大で仲間を見つけて、ジャニーズ初の和楽器バンドを組んでみるのも面白いかもしれない。
(金田麻有)