自分に自信のない人、つまり自己評価の低い人の場合、自然と“モテない会話”をしがちです。【迎合行動】と呼ばれる話し方が多いのも特徴です。
迎合行動には、いくつか種類があります。1つめは、卑下する話し方。「どうせ私なんて」「私はたいしていい大学を出ていないので」など、自分を貶めて相手をヨイショする話し方のことです。2つめは、「そうそう。○○さんのおっしゃるとおり」と、なんでもかんでも相手の話に同意をする話し方。3つめは、「さすが○○さんはすごいですね~」など、お世辞ばかりの話し方です。
この3つの話し方、話している本人としては、どれも目的は「相手に好かれる」ことで、自分を下の立場において相手に気持ちよくなってもらおうというものです。あるいは、自分を下の立場にはおくのですが、それを相手に「そんなことないよ」と否定してもらったり、自分を認めてもらったりして、自尊心を満足させている場合もあります。
でも、卑下し過ぎるのは逆に嫌味です。同意してばかりだと自分の意見がない人のよう。嘘っぽいお世辞ばかりだと、かえって信頼されにくいです。これらは、けっして“モテる”話し方ではありませんね。
どれも、そこそこやるくらいならいいのです。でも、ついやり過ぎている人が多いように思います。それはおそらく、こうした迎合行動をとる人には、コンプレックスが強い人が多いからかもしれません。コンプレックスをどうにかしたくてあせるあまり、過度な迎合行動に出てしまうのです。
子どもの頃にあまり褒められたことがなく成功体験の少ない人、厳しい家庭に育った人、友だちとスムーズな人間関係を築けずに育った人などに、強いコンプレックスを持つ人は多いです。傷つきたくない……だから最初から自分の心をガードしようとして、迎合行動に出るのです。
その気持ち、分からなくはありません。でも、ネガティブな気持ちになったときには、ちょっと深呼吸。おおらかで穏やかな気持ちで、コミュニケーションをしてみてください。「迎合行動をし過ぎると、かえって自分のコンプレックスが露呈するよ」と、自分に言い聞かせてから話してみてください。誰にも媚びない話し方ができるほうが、ずっと魅力的でモテるのですから。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)