今年の「第71回 NHK紅白歌合戦」(NHK総合)に、ジャニーズグループは7組出場する。この日を最後に活動休止に入る嵐、常連の関ジャニ∞、そしてHey! Say! JUMP、King & Prince、Kis-My-Ft2に初出場のSnow ManとSixTONESだ。白組の全アーティストのちょうど3分の1とあって、さながらジャニーズ祭りの様相を呈しそうだ。
白組司会は、嵐が生配信ライブを開催するため、俳優の大泉洋が務める。嵐は10年からグループで5年連続、メンバーでは16年に相葉雅紀、17年に二宮和也、18年&19年に櫻井翔が司会を務めて歴代最多。間に挟まれた15年は、当時NHKの朝の情報生番組「あさイチ」のMCだったV6の井ノ原快彦が担っている。ジャニーズではSMAPの中居正広、嵐に続き3組目だった。
V6は「紅白」に14年から3年連続で出場している。有名人なら「紅白出場」の経験を一度はしてみたいところだが、その夢舞台に立てるチャンスをみずから放棄したジャニーズJr.がいた。V6の最年長・坂本昌行だ。
「92年に2度目の出場となったSMAPが白組オープニングで、『雪が降ってきた』を歌いました。そのバックダンサーの1人として呼ばれたのが、Jr.だった坂本です。バスケットボールをやらせようと、経験者の坂本をジャニー喜多川社長が『バスケット、できる?』と聞き、できるということで呼んだのです。坂本は事前に『俺はバスケットだけをやればいいのね』と念を押していたのですが、当日になってダンスを覚えさせられた。すると『何これ。聞いてない』と怒って、帰っちゃったのです」(アイドル誌ライター)
Jr.の立場で「紅白」という最高峰のステージを蹴った坂本。ジャニー氏は、素人同然の少年をいきなり大ステージに上げてスターにするのが常とう手段だったため、坂本のまさかの放棄に面食らったという。
「怒ることさえ忘れたジャニーさんは、『中居、どうしよう。坂本、帰っちゃった』とSMAPのリーダーに相談。事の経緯をすべて聞いた中居は、『それはジャニーさんが悪いよ』と冷静に言ったそうです。ジャニーさんは『そうかなぁー』と反省しきり。一連の流れを見ていた井ノ原は『(ジャニー氏は)社長だろ』と心のなかで思ったとか」(前出・アイドル誌ライター)
当時からジャニー氏は坂本に甘かった。ステージで客席に尻を向けたJr.がいたとき、「あれ、坂本くんだよ」と三宅健が言うと、「あっ、そう…」と叱らなかったという。
“世界のジャニー”を黙らせた坂本。真の帝王はこの男かもしれない。
(北村ともこ)