2020年最大のヒットドラマと言えば、堺雅人の主演ドラマ「半沢直樹」(TBS系)。9月27日に放送された最終回の視聴率は驚異の32.7%。全10話の平均でも24.8%となり、令和のドラマでは唯一の20%超えをマークした。しかも今年の7月期は「半沢直樹」以外のTBSドラマも軒並み好調だった。
「多部未華子主演の『私の家政夫ナギサさん』は平均15.0%、綾野剛と星野源がダブル主演を務めた『MIU404』は11.9%と、3本すべてが二桁視聴率の好調ぶりです。広告費の落ち込みが深刻なテレビ業界にあっては明るいニュースとなりました」(テレビ誌ライター)
そんな7月期のTBSドラマ3本には、ある共通点が見いだせる。それはジャニーズタレントを起用していないことだ。
「ジャニーズタレントのドラマ出演は色眼鏡で見られがち。もちろん演技力のあるタレントもいますが、一方ではジャニーズファン目当てで視聴率を当て込んだり、テレビ局と事務所の関係性が透けて見えるキャスティングも否めません。そういった部分に抵抗感を覚えるドラマファンもいるのです」(前出・テレビ誌ライター)
それゆえTBSは、ジャニーズ人気に頼らなくても良い作品を作れば視聴者がついてくることを証明したと言えるだろう。
「もちろん、Sexy Zoneの中島健人とKing & Princeの平野紫耀がダブル主演した『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)のように、あえてジャニタレを前面に押し出すのも一つの手法でしょう。それでも一時期は、あらゆるドラマにジャニーズのタレントが顔を出していたことに違和感を抱く視聴者が少なくなかったことも事実。TBSが成功したことから、他局でもドラマへのジャニーズ起用に変化が起こるのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
21年は、テレビドラマの業界地図が大きく変わっていく可能性もありそうだ。
(浦山信一)