大みそか恒例「第71回NHK紅白歌合戦」が昨年12月31日に、東京・渋谷のNHKホールで行われた。初の無観客で開催されたが、総合司会がお笑いタレントの内村光良、白組司会が俳優の大泉洋、紅組司会が女優の二階堂ふみと異色の取り合わせとなった。二階堂の司会ぶりはネットで高評価を得ており、紅組の4年ぶりの優勝に華を添えている。
そんな「NHK紅白歌合戦」の初司会を昭和33年の当時25歳で務めたという黒柳徹子が、モノマネタレント・清水ミチコのYouTubeチャンネル「清水ミチコのシミチコチャンネル」に出演し、当時を振り返った。
黒柳が紅組司会を担当した「第9回」は、諸事情により紅白で唯一となる新宿コマ劇場での開催だったようだ。当時は「紅白出場」に重きを置く歌手はおらず、皆が他の仕事と掛け持ちだったと振り返る黒柳、本番前にゆとりを持ってやってくる出演者は少なかったようだ。
しかも今とは違い、司会者が出場歌手の顔をすべて把握できる時代でもなかったと語り、それなのに本番ギリギリに「(出演者の)女来ましたー!」とのスタッフの叫び声。誰だか分からず、「女性の方が到着なさいました。これから歌っていただくんですが、どなたでしょうかしらね…」などと繋ぎ、「泣きたかった」「最悪だった」と清水の笑いを誘ったのだった。
名司会者で知られる黒柳にも「泣きたかった」と語る場面があったのだと興味深い話が拝聴できたが、昨年の無観客紅白も、こうした積み重ねあっての成功ではなかったかと思い知らされた。
(ユーチューブライター・所ひで)