家計簿は、つければお金が貯まる魔法のノートではありません。「お金を貯められると思って家計簿をつけ始めたのに、どれだけ続けても一向にお金が貯まらない……」という場合は、次のような落とし穴にハマっている可能性があります。
■家計簿をつけているだけで生活が変わらない
「忙しい日々に追われて家計簿をつけるのはいつも後回し。月末に1ヵ月分まとめて記入(入力)してみると、今月もまた予定より使い過ぎて貯蓄に回すはずのお金がなくなっていた……」
このような状態が長期化すれば、希望通りの貯蓄を達成するのは難しいですよね。実は、家計簿をつけて実態を把握するだけではあまり意味がなく、予算設定やお金の使い方を見直して、その後の行動に生かすことが重要なのです。
例えば、月(週)ごとに記録してお金の動きを把握し、支出が多い月(週)があれば翌月(週)で調節するなど、消費生活をコントロールすることが大切です。
■お金の動きを掴んでいない
「日々管理している生活費や娯楽費などはざっくり把握しているけれど、固定費や特別費などの内訳や金額はパッと思い出せない……」
毎月、毎年どのくらいの支出をしているのか、どんな項目の支出が多いのかなど、家計の全体像を把握できなければ、改善するのは難しいもの。生活費の節約だけで、家計の赤字を回収するのは至難の技です。
■長期的に分析していない
これまでつけた家計簿を遡り、傾向をつかんだことはありますか?
例えば、1年間家計簿を続けたら、月によって支出の項目や金額に違いがあることが分かります。季節により使用する電化製品が変わって電気代が増減したり、イベントの数により娯楽費や特別費の金額が変わったりするからです。
場合によっては、予算設定は毎月一律よりも、月や季節ごとに変えた方がうまくいくケースも。1回ごとの反省・改善だけではなく、数ヵ月、1年などの長期スパンで考えると、より家計管理がスムーズになりますよ。
せっかくつけた記録ですから、有効活用して家計に反映させたいですよね。帳尻を合わせるのではなく、戦略をもって利用するために、家計簿を“活用”していきましょう。
(Nao Kiyota)