男性と比較すると、女性のほうが年齢を重ねることへの不安、早く恋をして結婚したいという願望は強いようです。そしてそれは、女性が無意識のうちに“男性は若い女性のほうを好む”ということを認識しているからではないでしょうか。
実際、さまざまな芸能人・著名人の恋愛や結婚のニュースを見ていると、男性が若い女性と親密になるケースはかなり多いようです。アメリカで結婚相手を求める広告を調査した結果からも、男性は自分より若い女性を好むことが分かりました。中年以上の男性はより若い女性を好むことも分かり、結果、男性は年を取るとますます若い女性を求めるということが明らかになりました。一方、女性のほうは、自分より年上の男性を好むことも分かったそうです。
では、なぜ男性は若い女性を好み、女性は年上の男性を好むのか。この理由としては、心理学の世界では、ふたつの異なる説があるようです。
ひとつは、「遺伝」が理由というもの。男性の場合は性的に成熟してからはずっと生殖が可能なわけですが、女性が生殖できるのは成熟してから閉経期を迎えるまでと期間が限られています。男性は自分の遺伝子を残したいという本能があるため、無意識のうちに若い女性を選びがちという説があるのです。逆に女性の場合は、自分の子孫に衣食住を与えるために、経済的に余裕があり、自分と子供を守る安心感のある年上の男性に魅力を感じるようなのです。
もうひとつの理由としては、「公平理論」という考え方があります。公平理論とは、人は自分と同価値の相手に魅力を感じるというもの。どういうことかというと、ある程度の年齢の男性は、ある程度の社会的地位にあり、ある程度の経済力を持っている場合が多いわけですよね。それらが男性にとっては“自分の魅力”となるわけですが、その魅力に見合った女性=若くて美しい女性というように、男性が自然と考えてしまうということです。
令和に生きている私たちからすると、どちらの理由もどこか古風で、ジェンダーな価値観という気がします。でも、いいか悪いかは別として、こうした価値観が現在の男女間にも横たわっているのは事実。現状を現状として受け止めつつ、自分はどんな恋愛をしていきたいのかをよく考えてみたいものですね。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)