最近は汗ばむ日もありますね。今年も夏が近づいてきました。夏といえば熱中症ですが、実は近年、5月に熱中症で搬送される人が増えているようです。今では、「熱中症は5月から発生する」ともいわれています。
また、今年も昨年に続き、コロナ禍で熱中症になりやすいようです。「教えて!『かくれ脱水』委員会」の委員医師であり南奈良総合医療センター・整形外科の富和清訓さんによると、コロナによる自粛も2年目となり、身体に水分を貯蔵してくれる筋肉が衰えていることから、例年より熱中症リスクが高くなっているとか。そこで、今からやっておくべき、熱中症予防のための準備事項を紹介していきましょう。
■エアコンの試運転
熱中症予防には欠かせないのがエアコンなどによる冷房です。でも、故障していたらまずいですよね。三菱電機空調冷熱システム事業部の担当者は、夏前のエアコンの試運転は5月には行っておくことを勧めています。これは、修理や買い替えのピークとなる6~8月に不具合が分かっても、混雑ですぐに工事などの対応をしてもらえない可能性があるからだとか。そこで、次のようなことだけでもチェックしておくのがよいそうですよ。
●モードを「冷房」にし、設定温度を最低にして運転させる
●エアコンの吹き出し口に手を当て、冷たい風が出ているか確認する
●エアコンの室外機の前に、物を置いていないか確認する
冷たい風が出ない、異音や異臭、その他の異常があった場合は、メーカーまたは近くの販売店に相談しましょう。
また、離れて住む両親や祖父母がいるのなら、より熱中症には要注意です。三菱電機霧ヶ峰PR事務局が東京・大阪に住む65歳以上の両親を持つ男女600名に対して実施した、両親のエアコンの使用状況や試運転の実施状況について認識しているかどうかのアンケート調査によると、「両親のエアコンの試運転をできていない人」は55.8%と、半数以上にも上っていました。両親や祖父母には、電話などで試運転のやり方をていねいに教えてあげましょう。
■暑熱順化のための運動
前出の富和さんは、「コロナ自粛で運動不足であるのなら、春先に早めの暑熱順化をする必要がある」といいます。暑熱順化とは、体温調整を行う機能である汗が上手にかけるよう、身体を馴らしておく準備のこと。環境省『熱中症環境保健マニュアル2018』では、暑くなる前に、屋外などの暖かい環境で「ややきつい」運動を1日30分くらい2週間程度行うと、身体が暑さに慣れてくると書かれています。富和さんのオススメはラジオ体操だそう。それなら手軽にできそうですね。
■熱中症になったときを想定した準備
万が一、熱中症になってしまったときを想定して、準備しておきたいものがあります。水分や塩分、糖分などを効率的に補給できる「経口補水液」は6本程度を冷蔵庫に準備し、直接冷やす「保冷剤」は大きさがちょうどいいものを適量準備。さらに。いざというときに塩分と糖分が摂れる「お粥パック」を用意しておくといいでしょう。
まだまだ早いと思っていると、そのうち暑さが増してきてすぐに熱中症シーズンに突入します。今のうちから予防をしておき、熱中症リスクを下げておきましょう。