テレビ草創期から第一線で活躍し続けている「芸能界の生き字引き」である黒柳徹子に、ここまで物申すことができる人はまずいないのではないだろうか。
5月20日放送の「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演した「女性学」の第一人者であり東京大学名誉教授でもある上野千鶴子が、黒柳に対し「認知症になってもテレビにお出になってください」と要望したことが反響を呼んでいるようだ。
上野といえば14年前に「おひとりさまの老後」という著書で、ひとり暮らしの高齢者を「おひとりさま」と呼び、これまで「独居老人」と呼ばれ重苦しいイメージしかなかった存在に、明るさと軽さを吹き込んだ立役者だ。4月に発売された「在宅ひとり死のススメ」という著書は、現在72歳の上野が、これから人生の下り坂をくだり、要介護認定を受け、ある日、ひとり静かに亡くなっているのを発見されたとしても、それを「孤独死」とは呼ばれたくないという思いが、執筆動機とのこと。番組では上野の知り合いである好奇心旺盛な方が認知症になったことを例に挙げ、どんな人にも認知症になる可能性があるとし、黒柳にも「介護認定される日が来る」「認知症になる可能性がある」といった言葉を投げかけたのだ。
「ネット上では上野の言葉に毒を感じた人が多かったようで、『認知症になるリスクは誰にでもあるのはわかるけど、まるで徹子さんが必ず認知症になるみたいな言い方が気になった』という声が目立っています。しかし、上野が黒柳に『認知症になってもテレビに出続けてほしい』と要望したことに対しては賛同者が多く、『認知症になってもゲストと二人三脚で「徹子の部屋」を続けてほしい』とする声が数多くあがっています」(女性誌記者)
多様性が問われる今こそ、この要望が実現されることに期待したい。