仕事のモチベーションが上がらないことって、誰にでも起きるものですよね。それは、いつもやる気のある人でもそうでない人でも同様です。最近ではテレワークが進み、1人でモチベーションを上げなければならないケースも多くありますが、では仕事のモチベーションって、どうすれば上げられるのでしょうか。
精神科医の樺沢紫苑さんの著書「脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法」(文響社刊)によると、脳にやる気を出させるためには意図的に報酬を与えればいいのだとか。
そのやる気を出すもとになるのがドーパミンというホルモンです。ドーパミンを出すようにすれば、ワクワクドキドキの楽しさと目標達成したときの幸福感が得られ、「もっと欲しい」「もっとやろう」とさらにやる気がわき、モチベーションもどんどん上がっていくそうです。
ドーパミンを意図的に出すように工夫する方法はいくつかこの著書で紹介されていますが、ステップ1として「明確な目標設定をする」というのがあります。
人間は、目標を設定したときと目標を達成したときの2回、ドーパミンが出るものなのだそう。なんとなく生活しているときに幸せが転がり込んできたらうれしいものですが、実はそれだけではドーパミンは出てこないようです。
自分でしっかりと目標設定をし、それに向かって努力したり工夫したりする過程で、ドーパミンは分泌されるのだとか。その上で、目標そのものも達成できれば、そこでまたドーパミンが出てくるというわけです。
目標を立てるというのは、まさに最初のステップ。しかし、目標が大き過ぎてもNGのようです。短期間で実現可能な目標を立てて、その実現を繰り返すことで大きな目標を達成するほうが効率的なんだそうですよ。
ダイエットに例えると分かりやすいかもしれません。パーソナルトレーナーの武内教宜さんの著書「ダイエットは『目標設定』が9割」(ごきげんビジネス出版刊)では、「3ヵ月で10キログラム痩せたい」という目標を立てる人は失敗すると書かれています。なぜなら、ダイエットには1ヵ月に落としてもいい体重の上限値があるため、それを超えるとリバウンドしやすくなるからだとか。
リバウンドしないためには、例えば体重が60kgの場合、1ヵ月に3キログラムまでが上限なので、その範囲で目標設定する必要があります。大き過ぎる目標は、リバウンドするだけでなく、かえって悪化する可能性もあるそうです。これは、モチベーション管理においても同じことがいえるかもしれませんね。
モチベーションアップのために、ドーパミンを意識して、まずは目標設定から始めてみましょう。