元衆院議員の杉村太蔵が7月4日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)に出演。東京都武蔵野市の認証保育園が入る施設である吉祥寺東急REIホテルが、新たなコロナ陽性者の療養施設に指定された騒動について言及した。
番組では、新型コロナ陽性者の療養所と保育園が同施設内となることから、子供を通わせる保護者から不安の声が集まっている現状を紹介。また、自治体から保護者に対する事前説明もなかったといい、この問題を取材したモデルで1児の父でもあるりゅうちぇるは「陽性者の施設は作らなきゃいけないと思うんですけど、施設をなぜわざわざ保育園の入っているところに設けたのか。怒りを感じました。しっかり説明すべき」と主張した。
一方、この騒動について見解を求められた杉村は、「都内には13の療養施設があって、3万人が療養してきた。保護者の方の気持ちもわからなくもないけど、ホテル療養施設の周辺で感染が拡大したのかと。1件もないかどうかはわからないけど、療養施設は徹底的に管理されていますし、ゴミも完全に密封して焼却されている。行政としては緊急性もありますし、ご理解いただきたい」とコメント。りゅうちぇると同じく3人の子供を育てる身ではあるが、対照的に、療養施設の指定に理解を示した。
続けて、「この(番組VTR)映像でコロナ差別とか社会の分断を助長しないかと(心配)。迷惑施設ではない。我々だって今日、明日に感染するかもしれない。そうなれば療養施設を使うことになる。施設を今利用している人はただでさえ肩身の狭い思いをしているのに、(こうした議論が続くと)どんな思いをするかなと胸が痛い」とも語り、誰しもが世話になる可能性のある療養施設の必要性を説いた。
「事前に保護者への説明をせずに療養施設の指定を進めるやり方については議論の余地はあるものの、やはり東京都はコロナ禍において迅速に都全体での宿泊療養施設の拡大を進めていかなければならない事情があるのも事実。そうした背景を踏まえ、この議論自体がコロナ差別につながるリスクをはらんでいることを懸念した杉村にはネット上で『これは太蔵が正しい。療養施設は危険で迷惑という前提を認めちゃうと、あちこちで反対運動が起きて、どこにも作れなくなる。ちゃんと基準を満たしているなら、どこに作ってもいい、事前に知らせる必要もない、ということにしないとコロナ対応は成り立ちません』『この発言には強く共感した』『起きている問題を社会全体でどう受け入れて、どう解決していくか。リスクを全く負いたくないのはみんな同じだが、そのためには誰もがそれを負担する覚悟は少なからず必要です』などと賛同する声が集まっています」(テレビ誌ライター)
親として心配に思う気持ちには理解を示しつつ、行政が進める然るべきコロナ対策を社会全体で支えていく必要性も説明した杉村。冷静かつ客観的なコメントが多くの人を納得させるに至ったようだ。
(木村慎吾)