コロナ禍による度重なる延期を経て、ついに6月2日に公開された映画「ゴジラVSコング」。同作は俳優・小栗旬のハリウッドデビュー作でもあるが、映画を観た人たちからは小栗のあまりの出番の少なさに残念がる声が多数。一体、なぜこんなことになってしまったのか。
同作はハリウッド版ゴジラシリーズとキングコングの世界観がクロスオーバーする「モンスター・ヴァース」シリーズの第4弾で、北米興行では約111億円、全世界の累計興行収入は約490億円の大ヒットとなっている。小栗はハリウッド版ゴジラシリーズで渡辺謙が演じた芹沢猪四郎博士の息子・芹沢蓮役で出演している。
ネットでは映画を観た感想として《かわいそうなのは小栗旬だ。白眼を向いているだけの意味不明の役になってしまった》《前作の渡辺謙とは比べものにならない扱いに、ちょっと寂しくなった。セリフ、数えるほどじゃん》《小栗旬は、存在感がいまいちだったけど、頑張って!》など小栗の存在感を残念がる声が多数あがっている。
小栗も出演シーンが少ないのは自覚しているようで、6月29日に公開された読売新聞のインタビューでは「悔しさしかない」と吐露。7月2日に行われた初日舞台挨拶では途中で台本のみならず役の設定まで大幅に変更され「どういうお話になっているのかわからない瞬間もありました」と振り返っていた。
「映画ではカットされてしまいましたが、小栗の出演シーンは実際にはもっとたくさんあり、撮影も行われていたといいます。それがなくなったのは監督のアダム・ウィンガードの制作方針によるもの。これまでのシリーズは14年公開の『GODZZILA ゴジラ』が上映時間123分、19年公開の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が132分といずれも2時間超えでしたが、今作は113分と大幅に短縮。2時間を切ったことについて監督は『僕は2時間未満の映画が好き。2時間を超える映画を作るには、それだけのいい理由があったほうがいい』『最初から最後まで密度の高いジェットコースターにしたかった』と語っています。怪獣同士の対決を主軸においた結果、人間ドラマの部分が省略されてしまい、小栗の出演も簡素なものになってしまったのでしょう」(映画ライター)
実際に怪獣同士の戦うシーンについては絶賛の声が寄せられている本作。今回ばかりは小栗が怪獣に“食われて”しまったのは仕方がないようだ。
(柏原廉)