歌手でタレントの和田アキ子が7月11日放送の「アッコにおまかせ!」(TBS系)に出演。酒類の提供停止要請に応じない飲食店に対し、取引先の金融機関を通じて順守を働きかけると宣言した西村康稔経済再生担当相に苦言を呈した。
番組では、多くの批判を集めた西村大臣のパワハラまがいなやり方について特集。すでに同大臣は9日、先の発言の真意に関し、「金融機関は飲食店をはじめ、日常からコミュニケーションを取っているので、引き続き感染防止策の徹底などお願いができないかということで申し上げた」と釈明し、わずか1日で撤回することに。また、11日にはツイッター上でも、飲食店が取引する金融機関を通じて働きかけるとしたやり方について「混乱を招き、特に飲食店の皆様に不安を与えることになってしまいました」とし、「決して(ルールに従わない飲食店への)融資を制限するといった趣旨ではありません」「飲食店の皆様のご不安を払拭するため、金融機関への働きかけは行わないこととしました」などと説明、謝罪した。
まるで飲食店に対する脅しのようなやり口だとして多方面から非難を集めた西村大臣だが、和田は「ちょっとこれは嫌がらせっていうか、ソフト恐喝みたい」と表現。続けて、酒類の提供停止に応じない一部の飲食店についても「別に擁護するわけじゃないですけど」としつつ、「酒類提供(要請)を拒むっていうけど、やっと6月で緊急事態宣言が解除されて、それでも20時までだからね? 19時まで飲んで、食事して帰ろうってそれでもいいから、私たち飲むほうも食事するほうもそれに慣れてきて、お店の人もこれでやっていくしかないと。22時までは無理でも20時までは食べていただいて、その間にギュッと詰まったサービスをお届けしますって、私の行ってるお店なんかは3軒くらいある」と苦しい状況が続く飲食店に同情の思いを寄せている。
続けて、「それでまたこれだから。飲食店、ちょっとどうしていいかわからないと思う」と話し、コロナ禍では店だけでなく客側の飲み方やマナーなども併せて注意する必要があると語った。
「和田が西村大臣のやり方を『ソフト恐喝』と表現すると、スタジオには一瞬微妙な空気が流れるも、共演者からは『上から目線』などと和田に同調する声も出ています。すでに撤回はしているものの、飲食店への融資制限をチラつかせるような今回のやり方には世間からも批判の声が続出。また、和田の『ソフト恐喝』との形容ではまだ甘いとして、『ソフトでも何でもない立派な恫喝。銀行の融資とかに干渉するのは政府のすることか』『ソフト恐喝ではないです。西村がやろうとしてるのは、飲食店への経済制裁です。発言を撤回したとはいえ、議員辞職ものの発言』『飲食店に対する侮辱的行為』『政府の手は汚さず民間を利用して小さい所を潰していくのは裏社会のやり方』『ブラックな組織が脅すんなら警察に相談すればいいが、政府が相手だとそうはいかない』といった反応が集まっています」(テレビ誌ライター)
西村大臣にとっては、緊急事態宣言下における酒類提供停止の徹底を目指すための措置のつもりだったのかもしれないが、芸能界のゴッド姉ちゃんにして「ソフト恐喝」と言わしめるほど、あまりに強権的すぎるものとして解釈されてしまったようだ。
(木村慎吾)