7月30日深夜から3夜連続で再放送された伝説のドラマ「六番目の小夜子」(NHK)。このドラマは恩田陸による同名小説が原作。舞台が高校から中学校に変更されたり、ドラマ版オリジナルキャラが登場したりと変更点はあるものの、原作とは違った面白さがあると、当時から高評価。2000年4月期に放送された作品だが、21年経った今でも古臭い感じはまったくない。
当時13歳だった鈴木杏の卓越したヒロイン感と演技力の高さ、当時15歳だった栗山千明のこの世のものとは思えないミステリアスな美少女オーラ、当時16歳だった山田孝之の内側に激しい感情を秘めた妖しい美少年っぽさ、当時13歳だった勝地涼の少女のような透明感、当時15歳だった松本まりかのエキセントリックな演技がハマる怪優に育ちそうな片鱗、当時14歳だった山崎育三郎のガリ勉キャラに至っては、まさか「ミュージカル界のプリンス」と呼ばれるようになるとは思えない垢抜ける前のサナギ状態は、ファンでなくとも「貴重な映像」と感じたことだろう。
「ネット上では、このドラマのキャスティング担当者はどれだけ彗眼なんだ、主要キャストがみんな大成していると話題になっています。原作を描いた恩田もこの作品が小説家としてのデビュー作ということもあり、キャスティングというよりこのドラマの制作スタッフ全員が慧眼だったのではないでしょうか」(テレビ誌ライター)
8月1日には、松本が自身のインスタグラムに「六番目の小夜子」以来21年ぶりに山田と再共演することを報告。21年まえのそれぞれの写真と現在の写真を投稿すると同時に、21年前の山田を思い出し「孝之、美しかったね」と声をかけると、山田からは「ココロは今のほうが美しいよ」と「それ以上、それ以外の言葉が見当たらないくらい」の言葉が返ってきたとのエピソードをつづっている。
後世に語り継がれるようなドラマが、令和でも作られることを期待したい。