弁護士の北村晴男氏が8月5日に自身のツイッターアカウントを更新し、“金メダル噛み付き”騒動で非難を浴びる河村たかし名古屋市長を「許してあげて」と擁護した。
河村市長は8月4日、自身のもとへ表敬訪問したソフトボール日本代表・後藤希友投手から金メダルを渡され、首からぶら下げると、あろうことか後藤投手の了解を得ずにガブッ。これが大きな波紋を呼び、すでに謝罪の言葉を残した同市長ではあるが、世間の怒りに満ちた逆風が止む気配はない。
すると北村氏は、市長の愚行と謝罪を伝えるネットニュースを引用し、「デリカシーにやや欠けるおっさんの行動は許してあげて下さい。もちろん、大切な金メダルは素早く消毒した上で」とツイート。
これに対し、一般ユーザーから「河村市長デリカシーないでは選手すまない、交換してもらいたいでしょう、ましてやソフト13年待ったメダル。次は競技自体なくなる」とする反論のリプライが届くと、北村氏はこれに「『このおっさんのデリカシーのなさは笑えるなー』が私、『このおっさんのデリカシーのなさは笑えない、絶対に許せない』が皆さん。感じ方は違うな、とつくづく思う。自分が後藤選手の立場なら、金メダルを取った事実と仲間達との記憶は1ミリも変わらないので、そこまで怒らないと思う。人それぞれ」と直接返信。市長の“デリカシーのなさ”は認めたものの、笑えるレベルの範囲内だと感じているようだ。
「自分が後藤投手の立場であれば『そこまで怒らないと思う』とまで言い放った北村氏ですが、これにはタイムライン上に『北村先生、すみません。それは、先生がおっさんだからです。私なら耐えられません』『いやー全然わかってないんですね』『話をすり替えようとしてますね。これは他人の大事なものを傷付けた行為、市長が市民へのセクハラ。デリカシーの問題ではない』『自分だったら一生懸命取ったメダルにおじさんのつばがついたらイヤだけど』などと反論する声が次々に寄せられました。また、ネット上でも市長を擁護した北村氏に対し、『あんたも弁護士なら甘いこと言ってるんじゃないよ。他人の物を勝手に噛んだりするなど明らかに犯罪で、器物損壊罪などの親告罪にあたることはわかるだろ』とツッコむ声や、『いや~‥‥信じられない。どう考えたら許せるのか』『他人の持ち物を突然かじるってシンプルにおかしいでしょう』とする反応が続出。中には、65歳の北村氏が72歳の河村市長による蛮行をかばっている点に関し、『デリカシーのない中高年がデリカシーのない中高年を擁護する構図』と指摘するものもありました」(テレビ誌ライター)
なお、河村市長は5日16時に記者を前にして改めて配慮が足りなかったことを謝罪。「噛んだふりをしたのか?」という質問に「“噛んだふり”より、ちゃんと口を付けた。“噛んだ”と言われれば、噛んだ」としつつ、「グッと歯が食い込むような噛み方はしていない」とも説明した。
また、「なぜ噛んだのか」との問いには、昨今の一部アスリートによる噛み付きパフォーマンスの影響を挙げ、それを真似たのだという。
呆れて言葉を失うほどの愚行となったが、それを“僕ならそこまで怒らない”と表現した北村氏もまた、激闘の末にメダルを手にしたアスリートへの敬意が足りないと言わざるを得ないだろう。
(木村慎吾)