お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が10月10日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)に出演し、第100代内閣総理大臣に就任した岸田文雄氏に浴びせられたヤジに苦言を呈した。
この日の番組では、先の総裁選を制し、8日の衆院本会議で総理大臣就任後初となる所信表明演説に臨んだ岸田首相の様子を放送。しかし、野党からはその演説内容について「スカスカ」だとする批判も出ているという。
これに対し、松本は「今は始まったばかりですからね。期待をするというか、それしかないですよ」とした上で、「ただ、僕が言いたいのは、なんだろうな、これから船出だという首相が話している時に、ヤジ(を飛ばすという行為)は何なんだろうか」と首相の演説中に飛び交った罵詈雑言を疑問視。続けて、「あれは何とかならないんですか? カメラで抜けないのかね、ヤジっている人を。抜いちゃアカンのか、アカンのもおかしい」とし、各座席の前に監視用のカメラを設置するアイデアを提案していた。
「“ヤジは国会の華”だとして免罪符が与えられていたのも今は昔。昨今では聞くに耐えないこれらのヤジを禁止するよう進言する声もあり、今回の松本の苦言には『ヤジを飛ばしたらズームで抜けばいい、というのは納得。ヤジは完全には否定しないが、一定のリスクも背負うべき』『国会議員のヤジは誰が何を言っているのかがわかるようにして発言や行動に責任を持ってほしい』『所信表明演説は新しい総理大臣が具体的政策、表明をする神聖なる仕事の時。そんな時にヤジを飛ばすなんて言語道断。国会議員としてあり得ない』と同調する反応や、『政権を取れないという劣等感に対する表現の手段として、それだけボキャブラリーが少ないのだと思うよ』『議員には常識だけど、国民には非常識』といった指摘もありました。
過去には元衆議院議員の故・松田九郎氏や、立憲民主党の本多平直議員など、『ヤジ将軍』なる異名を持つケースもあり、ヤジを飛ばすことへの意識は、世間一般とは若干異なるものがあるのも事実のようです」(テレビ誌ライター)
とはいえ、決して健全なものとはいえず、岸田首相による新たな船出に泥を塗る行為でもあった。松本が指摘するように、各々がそのヤジ発言に責任とリスクを背負えるよう、カメラで徹底監視するのもアリかもしれない。
(木村慎吾)